スミス都へ行く  
2015.10.15.Thu / 15:25 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






世間知らずな青二才。
けれど彼の熱意は本物だった。
そして、その熱意に感化されてゆく人々。

青臭い理想を信じる力。
それを実現する為の努力。
それらが人々の心を動かし、
敵であった者の心に良心を再び蘇らせる。


昔の自分の中にもあった良心。
今は薄汚れてしまったが、
それでも心の底には、確かに、まだ存在していたのだ。


青臭い正義が最後に勝利する。
世間は思っている以上に悪くはない。
悪に手を染めてしまった者、世界を諦めてしまった者の心にも良心は蘇る。
だから、この世もまだ捨てたものではない。
そんな幸せな気分にしてくれる映画。



確かにご都合主義的な展開。
それでも多くの人が、この映画を好きなようだ。
そんな事実に嬉しくさせられる映画。
上院議員が死亡し、代わりに大抜擢された、スミス。
実直で誠実、しかし世間知らずな男。

この映画の題名にある都とは、
魑魅魍魎が跋扈する政治の世界のことを言っているのだろう。
そんな不釣合いな世界に飛び込み、
そして許すことが出来ない不正を知り、
けれど巨悪に潰されてしまうスミス。

スミスの秘書であったサンダース。
最初は、ひよっこ、青二才、子供とスミスを嫌っていた。
けれど、一緒に仕事をするうちに彼の純粋さに感化されていく。
昔の自分にもあったはずの純粋さ。
それを取り戻したからであろう。
けれど、政界のことを知り尽くしているサンダースは、
スミスが、このままでは潰されてしまうことも知っていた。
そんな残酷な場面は見たくも無いと、一旦は逃げ出すものの、
しかし、彼女は、彼女の良心に従って、還ってきた。

議会で徹底抗戦を始めるスミス。
スミスの熱意と根性を認め始めた議員も出てきた。
公聴席で彼に拍手を送る人々もいる。
そして、懸命に新聞を印刷し配る子供たち。
しかし、頼みの綱は自分を信じてくれる民衆たち。
けれど、世論は操作され、
自分を支持するものたちは卑劣な方法で妨害され、
真実の声は世間には届かない。


スミスの同郷での先輩議員ペイン。
スミスの父親と共に巨悪と戦い、しかし、
今は、その手先に成り下がってしまっている男。
けれど彼の心の底には、まだ良心が生きている。
お手柔らかに。彼はいい青年だ。彼は私を尊敬している。
そんな言葉が、彼の心に良心がまだあることを示している。

精魂尽き果てるまで戦い続けたスミスの純粋さ。
その純粋さがペインの心の良心を再び蘇らせる。


青臭い理想を信じ、バカな方法であっても、
最後の最後まで戦い続けたスミス。
それらが人々の心を動かし、敵であった者の心に良心を再び蘇らせた。
信じるなら、もっと大きなものを信じなさい。
それは、失われた大儀であろうし、人々の良心なのだろう。

そんなスミスを暖かな眼差しで見守り続けた議長。
最後の満面の笑顔は、
スミスのような向こう見ずだが実直な男が、
世の中にも、まだ居たんだという喜びと、
そんな男が最後までやり遂げたんだという嬉しさからなのだろう。

世間は思っている以上に悪くはない。
この世もまだ捨てたものではない。
そんな幸せな気分にしてくれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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