マルタの鷹  
2015.10.29.Thu / 15:49 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






サスペンスとしては、そこそこ。
犯人の正体も、
ストーリー上の謎も、
それほど難しくもなく、
鮮やかさも感じられない。

けれど、スペードという探偵の矜持が魅力的に映る映画。
サスペンス映画というよりも、
ボギーが演じるスペードの為に作られた映画。




サンフランシスコで私立探偵を営むスペード。
頭がキレ、人の嘘を見抜き、非情なように見えて、
しかし、情を持ち合わせている男。
彼の元に妹探しの依頼人がやって来る。
しかし、それが元で相棒が殺され、
自分にも嫌疑が掛けられてしまう。

スペードの前に現れる様々な人物たち。
誰も彼もが一癖も二癖もありそうで、
彼らの喋るセリフも、どこまでが真実で、
どこからが嘘なのかが分らない。
しかし、女に対しては口説き、男に対しては恫喝をも辞さない。
果敢に謎解きに挑んでゆくスペード。
恫喝が決まった後のしてやったりの笑顔が魅力的。


最後に勢ぞろいした関係者たち。
誰かを犠牲にしなければ助からない。
一番若い男を皆が追い詰めてゆく。
哀れな犠牲者を見放す彼らの表情が、
とても不気味で恐ろしい。

皆が奪いあった宝、マルタの鷹。
しかし、それは偽物だった。
皆が欲に目がくらみ、人をも殺して、
しかし、本物や真実にはたどり着けなかった。
けれど、最後に真実にたどり着くスペード。

果たしてスペードは彼女を愛していたのか、いなかったのか?
けれど、そのどちらであっても、
スペードは彼女を警察に引き渡しただろう。

相棒が殺されたら男はだまっちゃいない。
俺たちは探偵だ。
相棒が殺されたら犯人は逃がさない。
それが探偵ってもんさ。

欲望で行動した関係者の中で唯一、
復讐というよりも自らの矜持でスペードは行動したのだろう。
それは、目の前にいる彼女への同情や愛情よりも深いのだろう。

欲望の行き着く先を醒めた視線で見届けたスペード。
スペードという探偵の矜持が魅力的に映る映画。
サスペンス映画というよりも、
ボギーが演じるスペードの為に作られた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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