実験4号 It’s a small world   
2015.11.26.Thu / 20:46 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






たとえ離れていても、
その場所が心の中に残っていれば、
また、巡り会える。
寂しさを感じる必要も無い。

一人学校を卒業する少年。
それまで慣れ親しんだ生活、友人、環境。
それらに総てに別れを告げて。

けれど、寂しがる必要は無い。
たとえ離れていても、
場所が心に残っていれば、
また、巡り会えることは、できる。


様々な意味を込めた最後の言葉。
それは、それまでの総てに感謝の気持ちが込められた言葉。

自分を育ててくれた、総て。
それらに別れを告げて旅立つ少年の郷愁。
そんな郷愁に心魅かれる映画。



私の大好きな伊坂耕太郎さんと山下敦弘さんのコラボ作品。
そのどちらも、彼らの持ち味が十二分に堪能できる作品。



今から何年か後の世界。
殆どの人々が火星に移住し、
人類に見捨てられてしまった未来の地球。
そんな地球に残された学校。
学校というよりは孤児院に近いかもしれない。
生徒は僅か男の子が三人、アビちゃん、シンちゃんとハル。
先生は校長も兼務している、シマコ先生。
用務員というよりは母親役のオダギリ。

朝は三人でプールの水をくみ出しては、不思議な機械で浄水に変える。
シマコ先生を起こしてはオダギリの作った朝ごはんを食べる。
授業は殆ど自主学習。
体育は適当にルールを作った競技を楽しむ。
遊んだ後はお昼ね時間。

それは、まるで、キャンプのような生活。
しかし、それが彼らの日常なのだろう。
淡々と過ぎていくようで、しかし、充実している、
退屈な様でいて、しかし、その貴重な時間を楽しんでいる、
ままごとの様でいて、しかし、逞しく生活している。
それは、とても不思議に感じられる世界。
しかし、その世界に別れを告げなければならなくなってしまったアビちゃん。

アビちゃんは、きっと、
この生活に終わりが来るなんて考えてもいなかったのだろう。
しかし、急に突きつけられてしまった、お別れ。
お別れは、とても寂しくて何をしたらいいのか途方にくれる。

けれど、シマコ先生は諭す。
この場所はなくならない、と。

場所がなくならないなんて、現実的にはありえない。
明け方、シマコ先生が見つめる世界。
それは、人々に見捨てられて、徐々に崩壊していく世界。
もう直ぐ、この学校も壊れてなくなってしまうのだろう。

しかし、シマコ先生は嘘を言ったわけではない。
自分を育ててくれた総てが無くなってしまう。
それは、とても寂しくて、とても耐え難いこと。
けれど、心の中からは消えてはなくならない。
いつでも思い出すことが出来る場所。
そして、形は変われども、いつかはめぐり会うことが出来る場所。

自分を育ててくれた世界。
それは、いつかは巣立たなければならない世界。
そして、新しい世界を生き抜く力になってくれる世界。
だから、シマコ先生は言いたかったのだろう。
この世界はなくならない、と。
シマコ先生はアビちゃんに巣立ちの為の力を与えたかったのだろう。

アビちゃんの最後の言葉。
それは、様々な意味を込めた最後の言葉。
それまでの総てに感謝の気持ちが込められた言葉。
きっと、シマコ先生の想いはアビちゃんに伝わったのだろう。



自分を育ててくれた、総て。
それらに別れを告げて旅立つ少年の郷愁。
そんな郷愁に心魅かれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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