山桜  
2015.12.03.Thu / 22:26 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






貧しい農民を守る為に、
自らの身を厭わなかった侍。

その侍を一途に慕い、その無事を祈り続ける娘。
その娘を暖かな言葉で受け入れる侍の母親。

人の心の美しさ。自然の美しさ。
その美しさに清々しさを感じる映画。


ストーリーだけを要約すると、
とてもダイナミックな映画。
けれど、とても静かに感じられる映画。
台詞は少なくても、
役者さんたちの細かなしぐさの一つ一つや、
細やかな演出による様々なシーンが、
雄弁に映画を語っているからだろう。



前の夫とは死別し次の嫁ぎ先は金銭に卑しい一家。
結婚生活には恵まれていない武家の娘、野江。
野江を慕い縁談を申し込むも断られてしまった、手塚。
剣豪で正義感溢れる武家の青年。

偶然の出会いが野江に淡い恋心を抱かせるものの、
しかし、それは叶わぬ恋。
出会えた幸せと、しかし未来に対する諦めと憂い。
とても微妙な心境の野江。

至福を肥やす重臣を誰も止める事ができず、
貧しい農民たちは家族にご飯を食べさせることも出来ない。

祖母は孫にご飯を食べさせる為に敢えて餓死の道を選んだように見えた。
しかし、それでも死んでしまう小さなも後娘。
そんな窮状を前にして正義の剣を振るった手塚。
殺陣の静かだが圧倒的な迫力には魅せられた。



果たして手塚は帰ってくるのか?
最初は諦め、傍観しているだけだった野江。

叔母は、きっと幸せだったのだ。
なぜなら好きな人を懸命に愛せたのだから。
自分とは違う。

そんな野江を母親が諭す。
あなたは少し遠回りをしているだけだと。
そんな台詞に背を押され手塚の実家を訪ねる野江。
帰ってくるかどうか分らない。
けれど、この家で、手塚の母親と共に、手塚を待つことを決めたのだ。
野江を迎える手塚の母親の台詞の一つ一つが、とても暖かい。
もっと早くに訪ねればよかった。野江の喜びの涙も美しい。

手塚が帰ってくるのか、死罪になるのか。
それは最後まで描かれない。
けれど、自分の幸せを見つけだした野江は、もう迷わないのだろう。


貧しい農民を守る為に自らの身を厭わなかった侍。
その侍を一途に慕い、その無事を祈り続ける娘。
その娘を暖かな言葉で受け入れる侍の母親。

そんな人々の心の美しさに清々しさを感じる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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