海街diary   
2016.01.05.Tue / 11:11 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






幸福とはなんであろうか?

居場所があるということ。
美しいものを美しいと感じられること。
壊れてしまった絆が修復していくこと。
過去の過ちを許すこと。
面倒なことを面倒とは思えないこと。


この映画が終わらなくても構わない。
いつまでもずっと見ていたい。
そんな気分にさせてくれる、
幸福が沢山詰まった、とても心地よい映画。





鎌倉に住んでいる四姉妹。
しっかり者で生真面目な長女、幸。
男運と酒癖が悪く、とても奔放な次女、佳乃。
屈託が無く、マイペースで自然体、三女の千佳。
三人を捨てた父親が再婚して生まれた四女、すず。
父親が死に四人で暮らすことを決めた姉妹。
葬式の様子から、すずが一人で父親の面倒を見てきた事。
それを見抜いた、幸。
相談したわけではない。けれど四人で暮らすことを決めた三人。
そんなシーンに彼女たちの人となりが自然に描かれている。

そして、今まで一人で苦労を背負い込み、
父親に死なれ途方に暮れていた、すず。
そんなすずに新しい居場所、頼れる存在が出来たことに、
嬉しくさせられる。

徐々に遠慮が無くなり、生活にも馴染み、敬語も少なくなり、
幸と佳乃の口ゲンカにも慣れてきた。
そして、相手への呼び名も変わっていく。
段々と姉妹になってく四人。
最初から、すずにとっては心地の良い居場所だった。
皆が優しくて、けれど、悪いことはキチンと指摘してくれる。
けれど父親のことも母親のことも話せない、すず。

父親が好きだった風景。それを幸と見に行った、すず。
お父さんのバカと叫んだ幸。けれど、
お母さんのバカと叫んだ、すず。
もっと、一緒に居たかった、それは香田家では言ってはいけない事。
そんな、すずを抱きしめる幸。
言いたいことを言えること、それを姉妹は受け止めてくれること。
そんなことを理解できた、すず。
この時、本当の意味で、すずは居場所を見つけられたのだろう。



静かに流れるストーリー。
けれど、起こっている出来事は、かなりドラマチック。
父親の死。
佳乃の失恋。幸の不倫。それぞれの職場での配置変え。
三人の母親が法事にやって来た。
そして、海猫食堂のさち子の死。
多分、様々なことが過去にもあっただろう。
そして、これからも起こるだろう。


死を前にしても美しいものを美しいと感じられること。
満開に咲く桜。桜のトンネルの美しさ。
鎌倉の四季の風景。夜空に浮かぶ花火。


実の母親とは険悪だった幸。
人に優しすぎて家族に迷惑を掛けた父親にも
複雑な感情を持っていた。
けれど、それらも徐々に修復されていく。
幸にとっての、すずの存在が、
それを後押ししたように感じられる。
あれは誰のせいでもない。どうしようもないこと。
今までは許せなかった。
けれど、一人悩み苦しんでいるすずを見ていると、
許す事が出来る気持ちになったのだろう。
そして許した後の心地よさ。


海猫食堂を残したい。
幸をアメリカに送り出したい。
人の為にする事は、とても面倒なこと。
けれど、その面倒さを厭わない。
なぜなら、相手のことが大好きだから。
面倒だと叫びながらも、すずに梅酒を用意させる佳乃。
そんなシーンに嬉しくさせられる。


四人の姉妹を演じた女優さんたち。
特に綾瀬さんと夏帆さんが素晴らしい。


いつまでも此処には暮らせない。
きっと、皆があそこを旅立つ日が来るだろう。
けれど、その時は、その時。
それまでの間、彼女たちは幸せな毎日を積み重ねていくのだろう。
たとえ、なにかが起こったとしても。


この映画が終わらなくても構わない。
いつまでもずっと見ていたい。
そんな気分にさせてくれる、
幸福が沢山詰まった、とても心地よい映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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