サヨナラの代わりに   
2016.01.11.Mon / 22:43 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






やりたかった様々なこと。
しかし、人は、その多くを諦め、やらずに生きている。
その多くに、諦めるきっかけがあったわけではない。
時間やお金がないから。
今の生活に満足しているから。
生活が忙しいから。
日々が充実しているから。

そして自分が諦めたことに気付いた時には、
すでに手遅れ。
もう取り返せない。

けれど手遅れにならないこともある。
自分らしい生き方、そして死に方。

人生に卑屈にならない。
その為には人の人生を犠牲にしない。

強い意志で自分の人生を生き抜いた女性。
その姿に感化されて自分の人生を歩み始めた女性。
そんな二人の交流が輝いて見えた映画。




人が羨むほどに恵まれた生活を送っていたケイト。
しかし、ALSに犯され徐々に体の自由が利かなくなっていく。
ピアノがとても上手であった。
しかし、徐々に弾かなくなっていった。
目の前にあるにもかかわらず。
そして今、弾きたくても弾けない体になってしまった。

きっかけや理由があったわけではない。
諦めた瞬間があったわけでもない。
徐々に弾かなくなってしまったピアノ。
それは日々の生活が幸せで充実していたから。
いつでも弾けると思っていたから。
しかし、弾けなくなって気付く。
自分は、いつしか弾くことを諦めていたのだと。
そして、それは夫に対する接し方や生活スタイルも同様なのだろう。
本当の自分は違う自分。
しかし、夫との結婚を境に自分を偽って生きてきたのだと。

それは極端な考えなのかもしれない。
病気になって別な人生に憧れを抱いただけなのかもしれない。
それでも、病気になったケイトは、そう考えたのだろう。

きっかけは夫の浮気だった。
けれど、夫の人生を犠牲にしている。
そして、夫は自分の事を見てくれていない。
だから、離別を決意したのだろう。

今の体では出来ないことが沢山ある。
それでも、まだ出来ることがある。
人生に卑屈にならない。
その為には人の人生を犠牲にしない。
自分らしく死にたい。
その為にはベットでチューブにつながれて死ぬのではなく家で死にたい。




ケイトの看護をすることになったベック。
とても、がさつで、ずぼら。男との付き合い方もとても奔放。
しかし、裏表がなく、芯が通っている、憎めない女性。

度胸があるようで人前で歌うことが出来ない。
それはベックがとても繊細な女性であることを示している。
そして、自分を大切に生きていないようにも感じられた。

ベックにとっては最初は上品ぶって見えていたケイト。
しかし、ケイトが自分の理想を追い求めようとする姿を見て、
応援したくなる。
ケイト自身も幸せになって欲しいと励ましたくなる。

大学も退学してケイトに尽くすベック。
しかし、それがバレてケイトの介護をケイト自身に辞めさせられる。
これは、やり過ぎなようにも感じられた。
なぜなら、ケイトの看護を通じて、ベック自身も成長していたのだから。
人生を犠牲にしているのではなく人生の糧にしているのだから。
けれど、ベックに甘えすぎていたケイトは、
自分が、とても迂闊だと感じたのだろう。


いよいよ病気が重くなり、死期が迫る。
自分らしく死にたかったケイトは一人で死ぬことを選ぶ。
みっともないところを見せたくはなかったのだろう。
けれど苦しむケイトの声を聞いて居たたまれなくなったベック。
ケイトの選択よりは自身の気持ちを選んだのだろう。
そして、それは、とてもベックらしい行動だ。


最後まで自分の意思を貫いたケイト。
出来ないことはあったかもしれない。
結局は人の助けを借りなければならなかった。
しかし、最大限の努力と挑戦をしたのだろう。

ケイトと同じ病にかかり、先に死んだしまった女性。
彼女も死ぬ間際まで自分の生き方を貫いた。
出来ないことはあっても、
貫こうとした意志が自身を幸せな気持ちにさせてくれるのだろう。


ケイトの生き方は少し極端な生き方だったかもしれない。
けれど貫こうとした意志を目の当たりにしたベック。
その力を糧に自身の未来を切り開いていくのだろう。

強い意志で自分の人生を生き抜いた女性。
その姿に感化されて自分の人生を歩み始めた女性。
そんな二人の交流が輝いて見えた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1326 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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