マップ・トゥ・ザ・スターズ  
2016.01.14.Thu / 22:47 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






ハリウッドの内幕を描いた映画かもしれない。
しかし、心に残ったのは、
人は如何にして不安に精神を犯されて、
それを如何に克服しようとしているか、
である。

母親へのコンプレックスに獲りつかれた女優。
自身の出生の秘密に獲りつかれた女性。

そこから脱出する為に取った方法は疑似体験。
恐怖の対象となるものを自分で追体験し、
それを自分の中に取り込むこと、
なのであろう。

それは未来を生きるために行うのではなく、
人が持つ防衛本能のように感じられる。

不安に苛まれる精神の不安定さ。
それが解消された後の傲慢さ。
自らの不安を解消しようとする貪欲さ。
それらが、とても不気味に感じた映画。



少し落ち目のベテラン女優、ハヴァナ。

幽霊なのか幻覚なのか。
目の前に現れる母親は自分を蔑み、
その度に自信を失っていく。
不安という感情は未知なる物への恐怖に似ているのだろう。
未知故に感じる恐怖が幻覚や幽霊として表現されているのが面白い。

この不安を振り払う為にハヴァナは母親の役を演じようとする。
母親を演じることで、母親の感情を追体験し、
未知なるもの自身に取り込み、恐怖を克服できる。
そう、考えた様に見える。
だから、ハヴァナにとって、
この役はぜひともやらなければならない役なのだろう。

一旦は他人に取られたが、事故により、
念願の役を手に入れることが出来た。
手に入れる前は、母親に怯え、謙虚であったハヴァナ。
しかし、役を手に入れた途端、暴慢に変わっていく。

人は臆病ゆえに傲慢に振舞う。
傲慢ゆえに臆病になる、のだろう。


幼い頃に火傷を負った女性、アガサ。

父親と母親は実は兄弟であった。
だから自分たちは生まれてきてはいけなかった子供たち。
一旦は弟と死のうとし、しかし死ねなかった。
その一方で弟と結婚式ごっこで遊ぶのは、
両親の追体験なのだろう。
理解しようとか、克服しようとかではなく、
単に追体験をすることで安心したかったのだろう。

不安に苛まれる精神の不安定さ。
それが解消された後の傲慢さ。
自らの不安を解消しようとする貪欲さ。
それらが、とても不気味に感じた映画。



* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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