2016.01.21.Thu / 23:28 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






重さや長さ。
それらが万国共通であれば調和の取れた世界が保てる。
そのためには、重さや長さの基準を定義する必要がある。
しかし人類は、1キログラムを正確には定義できてはいない。

調和の取れた生活や人生にも基準が必要なのだろう。
その基準を父親に求めていたであろう女性。
しかし父親が死んで基準は失われた。
けれど嘆くことはない。
カオスは人生につき物だ。
そのカオスの中から次の基準を探せばよい。
所詮、基準は突き詰めて考えれば曖昧だ。
その曖昧の上にでも調和は保つことが出来る。

新しい基準を得ることが出来た女性。
それまでの心の迷いや戸惑い。
しかし、曖昧であっても基準を得ることが出来た幸せ。
そんな幸せに、ほのぼのさせられる映画。




測量を仕事とする研究者、学者たち。
彼ら曰く、重さや長さが万国共通だからこそ、
この世界に平和と調和が保たれている。
しかし、同時に議論したのは、重さの定義のこと。
万国共通のはずの重さの定義を、しかし、
人類は未だに成しえていない。
様々な定数や数値を駆使しても、結論は得られていない。
よって、重さの定義を示す、現物を使用するしかない。
それでも、その測定に対して、事前に洗浄すべきか否かは、
決めることが出来ないでいる。
つまり調和をもたらしているはずの定義は、
実は曖昧なもの、ということなのだろう。
父親と同様に測量を仕事としている、マリエ。
離婚したばかりの女性。

マリエの生きるための基準は父親なのだろう。
父親と同じ仕事に就き、同じ職場で働いている。
そして休憩の合間に話をする。
家財を持ち出す元夫を目撃した時の行き先も父親の所。
しかし、そんな父親も死んでしまう。

人生で一番の重荷は、背負う荷物が無い事。
背負う荷物があれば、それが生きる指針になるのだろう。
しかし荷物が無い人間は、何のために生きればいいのか、
途方に暮れてしまう。
まったく同じというわけではないのだろうが、
父親に死なれ離婚もして独りぼっちのマリエも、
似たような気持ちで生きていかなければならなくなってしまったのだろう。
しかし、目の前に現れた素敵な男性、パイ。
彼がマリエに新しい世界を開いていく。

人生にカオスはつきもの。
その中から新しい基準を見つけ出していけばいい。
所詮、基準といっても絶対的なものではない。
曖昧で、傷つきやすく、永遠には存在しない。

二人で過ごすラストシーン。
バスタブに浸かる二人が、とても幸せそう。
18センチの下世話なジョークも、なんだか心地よく響く。
取りとめもなく長さについて語る二人。
所詮、長さにも絶対的な尺度は存在しない。
単位が変われば数値も変わってしまう。

父親の灰の重さを計ったマリエ。
最初は、1022グラムであった。
しかし、徐々に減っていき、最後には1001グラム。
つまり測定中に21グラム減ったことになる。
これは、きっと父親の魂の重さなのだろう。
この時、父親の魂は天国に旅立っていったのだろう。
新しい基準を見つけたマリエに対して、
安心してあの世に旅立つことが出来る。
多分、祝福の思いもあっただろう。
父親が上って行ったであろう方向を見上げるマリエの笑顔が、
ともて素敵に見えた。


新しい基準を得ることが出来たマリエ。
それまでの心の迷いや戸惑い。
しかし、曖昧であっても基準を得ることが出来た幸せ。
そんな幸せに、ほのぼのさせられる映画。

1001グラム ハカリしれない愛のこと@ぴあ映画生活
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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