遠すぎた橋  
2016.01.25.Mon / 23:32 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






戦争とは大いなる浪費。
それは弾薬や燃料だけではない。
命さえも浪費される愚かな行為。

政治的な駆け引きで私的に立案された作戦。
しかし、その作戦に命を預けざるを得ない兵士たち。
それでも最後まで自らの責務を果たそうとし命を懸ける。

巻き込まれてしまった市民たち。
懸命に傷ついた兵士を看病し、
しかし住んでいた場所も、自らの命も犠牲となる。

戦争とは大いなる浪費。
とてもつまらないことで、それは始まり、
誰にも止められない。

とても豪華なキャスト。
壮大なる戦闘シーン。
しかし爽快感はない。
負けた戦争を描いたからだけではないのだろう。
とても長い映画でもあるが、
それら総てが浪費を描こうとしたための企画に思えてならない。

大いなる浪費は繰り返してはならない。
そんな願いが静かに淡々と描かれたように感じた映画。



ノルマンディー上陸作戦の成功から、
破竹の勢いで進軍している連合軍。
しかし、補給の問題で進撃はここに来て停滞気味。
年内に戦争を終わらせる為、
そして、補給の為の港を確保する為に立案された、
マーケット・ガーデン作戦。
規模は遥かにノルマンディー上陸作戦を凌駕する作戦。
しかし、味方であるはずの将軍同士の不和から生み出された作戦。
そして、政治的な背景で承認せざるを得なかった作戦。
ドイツにもはや戦うだけの戦力は残されていない。
ジープを空輸するから遠距離に降下しても大丈夫。
そんな安易な発想の元、敵中深く送りだされる兵士たち。
そんな安易な前提は儚くも簡単に覆されてしまう。


作戦上の重要な橋には敵の戦車部隊が潜んでいた。
レジスタンスと偵察機がもたらした貴重な情報。
しかし、それらは無視されてしまう。
たった二枚の写真の為に今まで準備してきた作戦を停止は出来ない。
けれど、与えられた権限は、
少しでも成功が危ぶまれた作戦を実行に移してしまう為のものではなく、
兵士たちの犠牲を最小限に留める為のものであるはずなのだ。


失敗が分りきった作戦。
けれど部下を送り出さなければならない上官たち。
そして、彼らもまた、死地への旅立つ。
それでも、自分たちの責務を果たそうとする。
簡単に降伏できないのは、味方が近くまで来ている為であり、
自分たちだけが降伏したのでは、
味方にも多大なる被害と犠牲が出るためなのだろう。


戦場と化した市街地。
民間人にも多くの犠牲者が出る。
それでも傷ついた兵士たちを労わり助けようとする人々。
そんな人々の努力も虚しく多くの命が失われ、
彼ら自身の住居すら破壊されてしまう。


とても豪華なキャスト。
けれど彼らに与えられている見せ場はとても少ない。
印象に残っているのは、
アンソニー・ホプキンスとロバート・レッドフォードくらい。
ショーン・コネリーやマイケル・ケイン、
ジーン・ハックマンも何も出来ずに退却しただけ。
戦闘シーンは、それなりに迫力はあるものの、
位置関係が分りにくいので、なんだか良く分らない。
それらも、浪費を描く為のように感じてならない。


戦争とは大いなる浪費。
それは戦争だけではなく、日常にも起こりえるのかもしれない。
そして、浪費を繰り返さない為には、
状況に流されるのではなく、、
無謀に対してNoを言える強い意志と勇気が必要なのだろう。

大いなる浪費は繰り返してはならない。
そんな願いが静かに淡々と描かれたように感じた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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