四十九日のレシピ  
2016.01.28.Thu / 23:45 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






子供を産んで、育てること。
世間の常識では、それが女の幸せ。
けれど、望んでも子供を埋めない女性も居る。
そんな女性は幸せには成れないのか?
彼女の年表は空白のままなのか?

子供を産めなかった義理の母親。
けれど、多くの人を支え、慕われてきた。
彼女の人生を静かに、この映画は肯定する。
それが嬉しくも幸せな気分にさせてくれる。

きっと母親の生き方を娘も継ぐのだろう。
子供を産まなくても、その先に幸せがあることを確認して。

たとえ子供に恵まれなくても幸せにはなれる。
要は、その人の生き方次第。環境や運命だけでは決まらない。
人を幸せに向けて後押ししてくれる、素敵な映画。




自分には子供が出来ない。けれど浮気相手には子供が出来た。
子供が出来ない女は幸せになる資格はない。
だから身を引く。
そんな考えに捕らわれてしまった、百合子。
とても生真面目な女性。
夫が折角買って来た子犬。それは彼の優しい気持。
しかし、それを受け入れることができなかった百合子。
映画の冒頭では夫が一方的に悪く描かれてはいたが、
それが違うことが徐々に分ってくる。


怒鳴ってしまった。
そして折角のコロッケパンを要らないと拒否してしまった。
あれが最後だったのに。
そんな後悔に苛まれ生きる気力を失ってしまった、良平。
声が無駄にでかい男。


百合子の伯母によれば、世間の常識として、
女の幸せは子供を産んで育てることだという。
それでは子供を望んでも産めない女性は、
永遠に幸せにはなれないのだろうか。

49日には大宴会。
しかし、その詳細は語らずに逝ってしまった乙美。
けれど、その宴会の先に家族の幸せを願ったであろう、心優しき女性。

乙美の年表を作ろうとし、
しかし、彼女のことを、あまりに知らないことに気づいた百合子と良平。
このまま、乙美を送ることは出来ない。
乙美のことを知りたい。しかし特別なイベントがあったわけではない彼女の人生。
そして乙美は自らが忘れ去られることも受け入れていたのだろう。
確かに優しくて美しい生き方。
でも、とても寂しく感じさせられる。

けれど、49日の大宴会に駆けつけてくれた人々が教えてくれる。
乙美が実はとても幸せだったことを。
見合いの前に良平を好きであったことを告げたイモ。
外に出て多くの人に出会う喜びを伝えたハル。
もう一度食べることが出来たコロッケパン。
乙美が様々な人に伝えたことが、
そのまま良平と百合子の幸せに繋がっていく。

大きなイベントは存在しない。
けれど日々の小さな行為が乙美に幸せをもたらし、
そして、今、百合子と良平をも幸せにしている。
そんな展開に幸せな気分にさせられる。
すべて埋まった乙美の年表。
これには、とても嬉しくさせられる。


お前と年を重ねたい。
子供のことを一番に考えたい。
それは、とても身勝手な言葉。
けれど、とても重みのある言葉。
母親の生き方を知った百合子には、その重みが今は分るのだろう。
そして、きっと母親の生き方を継いで行くのだろう。


女の幸せは子供を産んで育てることだけではない。
環境や生い立ち、運命だけでは決まらない。
人は誰でも幸せになれる。
要は、その人の生き方次第。
人を幸せに向けて後押ししてくれる、素敵な映画。


ただ、それまで憎まれ役だった伯母が豹変。
フラダンスのシーンも良かっただけに、ちょっと残念。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1336 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.