大統領の料理人  
2016.02.25.Thu / 20:58 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






淡々と進むストーリー。
その中に込められた様々なテーマ。

真摯に自らの職務に打ち込めば、
それを理解してくれる人々、協力してくれる人々は、
必ず現れる。

仕事における最大の喜びは、
自らの仕事により幸せになる人の至福の笑顔を見ること。
これに勝る喜びは存在しない。

仕事に利害関係はつき物だ。相手には相手の正しさがある。
けれど、逆境は人生の「トウガラシ」。
味は辛いが人生の味わいを豊かなものにしてくれる。

自らの理想を追い求め2年間を戦い抜いた女性。
その女性の魅力溢れるバイタリティに魅せられ、惹きつけられた映画。



大統領の料理人を勤める女性、オルタンス。
素材の味を生かす、バイタリティ溢れる料理人。
美味しい料理を大統領に提供したい。しかし、
元から居た料理人たちからのやっかみ。
コスト削減、栄養士からの制約。
大統領の好みも聞けない。
オルタンスの仕事には沢山の障害がつきまとう。
しかし、彼女は負けない。

良い仕事をしたい。環境に妥協をしたくは無い。
そう思えば思うほどに、障害は増えていく。
しかし、真摯に打ち込めば協力者も理解者も得られる。
美味しい料理はオルタンスだけの力では創れない。
オルタンスを支えるスタッフたち。
オルタンスの想いを理解して料理や給仕に打ち込む彼らの姿も、
見ていて気持ちが良い。

大統領と話す機会を得たオルタンス。
そして大統領の想いを聞くことが出来た。
多分、大統領はオルタンスの料理を幸せな笑顔で食しているのだろう。
しかし、その笑顔を見ることが出来ないオルタンス。
人は何のためならば困難な仕事に打ち込めるのか?
金銭や名誉、しかし、それ以上に大切なことは人を幸せにすること。

お金を掛ければ、より美味しい料理が創れる。
しかし、大統領の料理は公費で賄われる。
そして、健康や安全にも十分に気をつけなければならない。
大統領の精神的安定と幸福は、当然ながら国益にも繋がる。
そして大統領が共に食事するのは国賓たちが殆どなのだろう。
しかし、公費は抑えなければならない。
これは難しい問題だ。正しい回答は存在しない。
けれど、自分の責務は美味しい料理を提供すること。
だから、オルタンスは戦うのだろう。とても不毛な戦いであっても。

そんなオルタンスを夜間訪ねる大統領。
お互いに四面楚歌、周りは敵ばかり、そして、障害ばかり。
しかし、逆境は人生の「トウガラシ」。
お互いの状況を理解すればこその会話であり、
心と心が通じれば、相手が創る料理も一層美味しく感じられるだろう。

しかし、精神が蝕まれれば肉体に影響を及ぼす。
精神的には負けずとも、体が資本の職業。
足の不調で料理人を続けられなくなってしまったオルタンス。

南極での一年間。
それはオルタンスにとっては癒しの時間、次の挑戦への充電期間。
そして、オルタンスを囲む人々の至福の笑顔。
それは、エリゼ宮では味わえなかった喜び。
大統領の料理人を勤めることは、とても名誉のあること。
しかし、それと同じ位、南極での仕事はやりがいのあった仕事だったのだろう。
なぜなら多くの人を幸せにしてきたのだから。

自らの理想を追い求め2年間を戦い抜いた女性。
その女性の魅力溢れるバイタリティに魅せられ、惹きつけられた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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