北京的西瓜  
2016.02.29.Mon / 18:27 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






中国から来た留学生の為に総てを捧げて尽くした男。
美談のように見えて、美談には感じられない。
むしろ違和感と疑問が頭から離れない。

なぜ、この男は此処まで尽くしてしまうのか?
なぜ、留学生は、ここまで厚かましくなれるのか?
そして、ここまで自らを犠牲にしなければ、
相手の本質に触れることは出来ないのか?

そして、この映画の主人公は、この男の妻のように感じられる。
夫の身勝手さを受け入れ、
夫の幸せを自らの幸せとし、
最後は自らの幸せにした。
それは、殊勝で、健気で、難しい生き方だ。
しかし、とても美しく感じられる。
そんな彼女の美しい生き方が最後には報われる。
それがとても嬉しく感じられた映画。



船橋市で八百屋を営む男、春三。
朝早くからの買出しをも厭わない仕事熱心な男。
春三の趣味の一つに競馬がある。
競馬は健全娯楽、なぜなら、予算は守る、
そして、次は勝つという希望を見失わない。
それを守っているから。

お店に現れた中国からの留学生。
最初は邪険にしていた春三。
しかし、彼らの窮状を見かねて援助の手を差し伸べる。
彼らの厚かましさに不満を漏らしていた春三であったが、
次第に援助にのめり込み
家族崩壊、八百屋の経営危機を招いてしまう。

美談かもしれないが、私にはむしろ春三が、
何かの中毒患者か、ギャンブルから逃げられない男のように見えてしまった。
予算を守る男だったはずの春三。しかし、
春三は、お礼を言われる快感や慕われる心地よさから逃れられなくなったのだろう。


春三に代わり、すべての現実を背負い込む事になってしまった、妻の美智。
以前は春三が行っていた買出しも自らこなし、
誕生日を忘れられても文句も言わない。
とても健気で殊勝な妻。
春三が援助の活動を心置きなくできるのも、美智が居たからこそ、なのだ。

小さい体で男に混じりながらの買出し。
懸命に八百屋を守る姿は、とても哀れ。

しかし、そんな生き方も最後には報われる。
お礼の為に中国に招待された二人。
自分たちに感謝の気持ちを示してくれた留学生たち。
遠まわしに感謝の気持ちを伝えてくれた夫。
美智も美智なりの幸せを感じたであろうラスト。
それらが、とても嬉しく感じられる映画。


けれど、この映画は、未完成で終わってしまった。
完成した映画も見てみたかった。
それは製作者サイドも同じであろう。
それが、とても残念で無念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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