2016.03.17.Thu / 19:33 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






人の生きる目的が迫害や差別、憎しみあうことではないように、
料理を作る目的も迫害や差別、相手を憎むことではない。

フランスの片田舎に引っ越してきたインド人。
インド料理とフランス料理という、
一見相容れなさそうなものが、
お互いを敵視して激しく憎しみあう。

しかし、料理を作ることの目的は、
人を幸せな気持ちにすること。
その目的を前にすれば、
相容れないものなどない。

三ツ星は権威というよりも、
世界に認めてもらうということなのだろう。

フランス料理とインドのスパイス。
それを見事に融合させ三ツ星を目指す男。

映画の後味はとても、さわやか。
しかし、さわやかな語り口で重いテーマを語った映画。
異文化が、お互いを尊重し、認め合い、共存する。
それらの重いテーマを、さわやかな語り口で語ったからこそ、
実はそれらが簡単なことなのではないか、と思えてくる。
なぜなら、皆が幸せになれるのだから。

美味しい料理による幸せが詰まった、とても素敵な映画。





フランスの片田舎に1つ星レストランを営む、マダム・マロリー。

長い旅路の果てにフランスの片田舎にたどり着いたカダム家。
カダム一家のパパがインド料理のレストランを、
マダム・マロリーの店の前にオープンすることを決め、
両家の争いが始まってしまう。
それは単に商売上の争いというよりも、
お互いを受け入れようとはしない異文化同士の対立。
憎しみは激化し、遂には放火事件まで起きてしまう。

もともとカダム一家が祖国を離れたのは、
選挙騒動の暴徒によって家に火をつけられたから。
そして、その放火により母親が死んでしまったから。
そんな事は先進国であるヨーロッパやフランスでは起こらないはずと思っていた。
だからこそ、引っ越してきたのだから。
しかし、祖国同様、ここでも言われ無き暴力は発生し、
理不尽にも財産が失われるようなことが起こりうるのだ。

そして、それを深く恥じたマロリー。


マロリーの悲願は二つ星を獲る事。
別に権威主義というわけではないのだろう。
美味しい料理を作るレストランであると認めてもらいたい。
そんな想いからなのだろう。
そして、その想いを実現する為に、マロリーは、
敵対していたはずのインド料理のコック、ハッサンを、
自分のレストランに雇うことを決める。


フランス料理が200年守ってきたレシピ。
そこにインドのスパイスを加えて新しい味を創造する。
そしてマロリーのレストランは2つ目の星を獲得できた。

パリのレストランに引き抜かれたハッサンが、
本当に欲しかったのは故郷の味、そして家族の味。
パリでの修行は無意味ではなかった。
けれど、目指すのは家族と呼べる人々と共に、
人々を幸せな気持ちにさせる料理を作ること。
家族の下に戻って、レストランを始めるハッサン。

とても予定調和的なストーリー。
ハッサンと恋人らしきマルグリットの関係が、
一時危うくなりかけるものの、ビジネスパートナーになる展開に、
違和感というか説明不足を感じてしまう。
けれど、とても後味の良い映画。
なぜなら、皆が最後に笑顔になれるから。

異文化が、お互いを尊重し、認め合い、共存する。
それは、とても難しいこと。
けれど、とても簡単なこと。
なぜなら、共存することは、とても幸せなことなのだから。
美味しい料理による幸せが詰まった、とても素敵な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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