海辺の家  
2016.03.17.Thu / 19:39 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






残された僅かな人生。
その僅かな人生を掛けて家を建てた男。
そこには様々な願いが込められていたのだろう。

何かをこの世に残したい。
息子と一緒に何かに取り組みたい。
人を愛したい、そして愛されたい。
そんな想いが人々を変えてゆく。


最後には男が考えていた以上の大団円を迎えることが出来た。
それは、本当に出来すぎた最後。
意図はしなかったであろうが、
男は自分の人生を素晴らしいものに変えることに成功したのだろう。

そんな幸せに思わず涙がこぼれる映画。



会社をクビになり余命四ヶ月を宣告された男、ジョージ。
きっと、明日も今日と同じ日が続くと思っていたのだろう。
だから、やりたいこと、やらなければならないことを、
後回しにしてきてしまった。
周りの忠告を無視してCGを使わなかった。
結果として、会社をクビになってしまった。
明日は今日と同じではない。
ジョージにとって、やり残したこととは家を建てること。
すでに様々な準備は出来ていた。
今やらなければ、もう実行に移すことは出来ない。


人に触れること。そして、人に触れられること。
それは長い間経験してこなかった暖かさ。
家を建てることも大事だが親しき人と最後の時を過ごすことも大切だ。
家造りのパートナーに選んだのは息子のサム。
ジョージにとっては掛け替えのない存在なのだ。


一見不良に見えるが、サムは悩んでいる。
自分は空っぽで何をしたらよいか判らない。
誰もがサムを見放そうとしている。
売春をしかけて、それは、とても虚しいことだとわかる。
だから、どう生きていいのかという答えが見つからない。
本当は愛に飢えている青年なのだろう。


まずは今の家を解体する。
ジョージにとっては、家族との関係をリセットすること。
リセットして、周りに素直に成ることが出来れば、
自然と皆が自分の所に集まってくる。
愛情を分かち合うこともできるようになった。
なぜ、もっと早く素直に成らなかったのか?
しかし、手遅れではないのだろう。


家を建てる工程で、どんどん素直に成っていくサム。
家を建てるという行為は家庭を作る行為に似ている。
父親を知り、父親を愛し、自分も愛されていることが判る。
だから、自分を大切にすることもできるようになったのだろう。
そして、周りを愛することもできるようになったのだろう。


息子が自分の意思をついで家を建てている。
それを病室から見守るジョージ。
別れた妻とも愛情を取り戻すことが出来た。
家を建てようと考えていた頃のジョージは、
ここまでのことを目指していたわけではなかったのだろう。
出来すぎた大団円。
ジョージは最後の最後に、
自分の人生を素晴らしいものに変えることに成功したのだろう。


最後にはジョージの意思を継いで、完成した家を、
昔、祖父が事故を起こした時の被害者である女性に譲る。
それがジョージの最後の気がかりであった。
そして完成した家自身は、もう重要ではない。
サムには暖かな家庭が出来たからだ。
天国のジョージもサムの行為をきっと嬉しく感じたことだろう。

そんな幸せに思わず涙がこぼれる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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