2016.04.07.Thu / 15:06 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






非道の限りを尽くしてきた男。
年を取り温和になり、
老後の安泰を夢見る。

しかし、彼には、その資格は無かったのだろう。

自分を心から心配してくれる人の言葉は心に届かず、
甘言に惑わされ、自らを滅ぼし、
最後には気が狂い、総てを失い、死んでしまう。

美しい映像。
しかし人の因果、悪業の果ての哀れさが哀しい映画。

ただ創り手の想いが強すぎて、
説教臭く感じてしまった映画。
シェークスピアを題材にしたのも生かせていないように感じられる。



戦国時代に一国の主となった武将、一文字秀虎。
敵であれば情け容赦なく皆殺し。
子供といえども目を潰してしまう程、残忍な男。
それは戦国の世ならば、当たり前のことなのかもしれない。
そのような生き方しか許されなかったのかもしれない。
そして、年を取った今、気弱になったのか、
秀虎は安寧な余生を夢見るようになる。
けれど、秀虎には、そんな資格は無かったのだろう。

他人にしてきた非道の行い。
それが身内によって自身にもたらされる悲劇。
争いによって得てきたものが争いによって奪われる皮肉。
ただ、単に息子たちは自分がしてきた行いを真似ているだけなのだ。


親を殺して憎まれていると思っていた。
けれど、慈愛の心で赦されている。
そこに納得がいかなかった秀虎。
しかし自分を憎んでいる存在には気付かなかった。

赦すことで憎しみの連鎖は断ち切れるはずだった。
けれど、最後の希望も費えて、皆が悲劇に飲み込まれる。


自分を最後まで心配してくれた息子。
しかし、彼をも奪われ、死んでしまう秀虎。
それは彼のして来た事ことに対する報いなのだろう。


人はかくも救い難き存在ということがテーマなのかもしれない。
しかし、それ以上に感じるのは、
自身に破滅をもたらすのは自分自身であるということ。
人の因果、悪業の果ての哀れさが哀しい映画。



ただ、各キャラクターが定型的に感じられ、
ストーリーが平坦に見えてしまう。
シェークスピアを題材にしたのが、
かえって逆効果のようにも感じられるし、
秀虎は早めに気が狂ってしまうので、
彼の苦悩が十二分に伝わってこないようにも感じられる。
そこが残念な映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1365 / タイトル ら行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.