レンブラントの夜警  
2016.04.14.Thu / 15:21 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






自らの世界を自らの力だけで、
思い通りに描き出す。
そんな男の驕り。

妻を愛しているかどうか判らない。
けれど、本当は深く愛していた。
そして自分の支えとしていた。
そんな妻を失った男の悲しみ。

この映画は、
有名な絵画、レンブラントの夜警の秘密をテーマに、
描いた映画かもしれない。
あるいは、レンブラントの、
栄光からの転落を描いた映画かもしれない。
けれど一番印象的なのは、悲しみと驕りによる男の破滅。
そんな男の不思議な哀れさが印象的な映画。

絵画的で美しい構図。
映画というよりも演劇を見ているような演出。
登場する人物と彼らの関係が十二分に描かれず、
ストーリーを追うのも大変な映画。
きっと、この映画には予習が必要だったのだろう。



超一流の肖像画家、レンブラント。
肖像画家としては才能溢れる男ではあるが、
根はとても単純で、どちらかといえば庶民的な男。
嫌な客の顔は心持ち小さく描く。
けれど、決して顧客に不満は与えない程度に。
それは、肖像画の中では、彼が絶対的な創造者ということであり、
彼にしか解らない方法で自身の満足を得ていたということなのだろう。
この映画からは、肖像画を描くことに消極的なように感じられたレンブラント。
あまり好きでない仕事に自分だけの密かな喜びを見出す。
そんな印象を映画のレンブラントからは感じられた。

妻が好きかどうか判らない。
けれど妻を本心では愛していたのだろう。
自分が有名なのは自分自身の力。
けれど本当は妻のコントロールが、
彼に名声をもたらしていたのだろう。
妻が死んで初めて妻を愛していたことを理解したレンブラント。
そして妻の死によってコントロールを失ってしまった。
けれど、そこに思いは至らなかったのだろう。


正義感もあったのかも知れない。
少女たちへの哀れみもあったのかも知れない。
けれど、創造者としての驕り。
妻と妻のコントロールの喪失。
それらがレンブラントを暴走させてしまう。
夜警に市警団への告発を込めて描く。
それは、とても無謀な行為。
けれど誰もレンブラントを止めることはできない。

愛する人を見つけることは出来た。
けれど、自分が描いた肖像画によって、
盲人となってしまったレンブラント。
けれど、盲人となる前から周りが見えてはいなかったのだろう。

豊かな才能を持ってはいるが、根は単純に感じられた男。
そんな男の悲しみと驕りによる身の破滅。
そこに不思議な哀れさを感じた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1367 / タイトル ら行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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