テルマ&ルイーズ  
2004.01.25.Sun / 22:07 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

女性の解放を描いた映画でもあり、
さらには生きることの尊厳を描いた映画でもあるように思えました。

男たちの欲望、既成観念、悪意に満ちた無知、
自分の基準でしか相手を計れないおろかさ、
そんなものに縛られて生きてきたテルマとルイーズ。

何がつらくて、何が一番不快なのか。
それは、する側が決めるではなく、される方が決めることなのでしょう。
しかし、それが分からない男たち。

こんなことはして欲しくない。
それをきちんと説明することは大変なことです。
さらに、それをやめさせるとなると、なおのこと、大変です。
大抵の人間は、それが面倒でかつ、あとあとの人間関係に与える影響から、
だんまりを決め込んでしまいがちです。
無視した方が簡単なのですから、、、
しかし、無視は相手を増長させるだけです。

目覚めてしまったテルマは、
もはや昔の生活には耐えられないのでしょう。
相手をひたすら無視して、耐える生活に、、、

過去に傷をもつルイーズは、そんなテルマをよく理解します。
過去の出来事では、ルイーズはテルマのようには、
開放はされなかったのでしょう。
多分、まったく反対の、対照的な痛みにとらわれてしまったんだと思います。
だからこそ、彼女も、また、引き返せませんでした。

圧巻は、トレーラの運転手に仕返しをするシーン。
目覚める前の彼女たちには、想像にすらできない行為なのですが、
目覚めてしまった彼女たちには、相手の非礼を問いただすのは当たり前の行為なのです。

そしてラストシーン。
彼女たちは、命と引き換えに自分たちの尊厳を守って死にました。
とても感動的で美しいラストシーンです。

これは、セクシャルハラスメントの映画のように思われがちです。
男の暴力から開放された女性の映画であると、、
確かに、そうとらえてもかまわないような気もしますが、
この映画で述べていることは、男性と女性という関係にとどまらない気もします。
本当に不快な事を、ただ黙って耐えている人間は、なにも女性ばかりではないということです。
しかし、彼女たちと同じ行為を貫こうとすれば、
世間は冷たく、下手をすると彼女たちと同じように死ななければなりません。
だから、彼女たちのようには、踏み出すことはできません。
人間の尊厳を保って生きることの難しさ。そんなことを感じさせる映画でした。

ルイーズの車「ファイアーバード」が、ともてかっこよく、
アメリカの自然もとても美しい。
それを見事な画面で捕らえている映画でもありました。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.138 / タイトル た行 /  comments(2)  /  trackbacks(3) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from PANA -

私は、この映画をどうとらえていいのか、分らないでいます。
彼女たちは、運がいいから逃げ切れていると思っていたようですけど、運が悪いから犯罪を続け、警察から追い込まれていってるわけで・・・

2006.11.06.Mon / 02:39 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

ども、はじめまして。
ヤンというものです。
コメント&TBありがとうございます。
運がいいのか、悪いのか、、、難しい問題ですね。
警察に捕まらなかったのは、運がいいのか、悪いのか?
自分たちが男どもの奴隷であったことに、気がついてしまったのは、運がいいのか悪いのか?
自分に向けられた不快な行為に拒否を示すことができることに気がついたことは、運がいいのか、悪いのか?
もし、彼女たちが、そのままの生活を続けていたとしたら、それは運がよかったのか悪かったのか?

なかなか、難しい問題ですが、男中心の世界に女として生まれてきてしまったことは、運が悪かったのかもしれません。

それじゃ、また。

2006.11.07.Tue / 12:23 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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