ロブスター  
2016.07.04.Mon / 19:56 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






社会の規則に縛られ、
集団の掟に背き、
自分たちが創ってしまったルールに縛られた男と女。

生きることや恋愛とは、もっと自由なもの。
しかし、思想を硬直させてしまった二人には、
届かない言葉。

とても極端な価値観。
それ故に発想の自由の貴重さが伝わってくる。
不条理な世界が導き出したラストに、
違和感と恐ろしさを強く感じた映画。



独り身は許されない。
独り身になったのならば、
ホテルに閉じ込められ、強制的に婚活させられる。
そして期限以内にパートナーが見つからなければ、
動物への変えられてしまう。
そんな不条理な世界に生きるデヴィッド。
妻に別れを切り出されてしまった男。
ホテルで婚活するも、なかなか相手が見つからない。
というか、見つかるはずも無い、と諦めているようにも見える。
なぜなら、好きなものを嫌いなふりをするよりも、
嫌いなものを好きなふりをするほうが、
遥かに難しく、精神的な苦痛を伴うから。
だから、潔く動物に成る者もいれば、死を選ぶ人もいる。
けれど、両方とも選びたくは無いデヴィッドは、情のない女を選択する。
なぜなら、判りやすい彼女であれば、
相手に合わせるのは容易いこと、と考えたのだろう。
しかし、その試みは脆くも失敗してしまう。


ホテルを逃げ出し、独身者たちが潜む森に逃げたデヴィッド。
ここでも、極端な掟がデヴィッドを待っていた。
そして出会ってしまった運命の女性。

二人の想いを隠し通せるはずも無く、
集団の掟に裁かれ女性は失明させられる。


集団をも逃げ出したデヴィッドは、
運命の人と同様に自身の目を潰すことを選択する。


この映画で描かれている、とても極端な価値観。
パートナーと共に生きることは素晴らしいこと。
一人で自由に生きることは素晴らしいこと。
そして、相手と同じ境遇に身を置くことは愛情を深める効果があるということ。

いずれも正しくて、しかし、
極端に突き詰めてしまうと悲劇が起こる。

生きることや恋愛は、もっと自由なはずだ。
しかし、規則や掟、自分自身への価値観に縛られたデヴィッド。
ラストは描かれないが、しかし、自らの目を潰す選択をしてしまう。


婚活中に知り合った、足の悪い男。
パートナーを見つけるために、
鼻血が出易いと言う嘘をつく。
相手と同じ境遇に身を置けば愛情が深める、
というよりも、それは単なるきっかけなのだろう。
デヴィッドに真実を突きつけられても、
二人の愛情は変わらなかったように見えた。


人は様々なことに縛られ自由を失っている。
もっともタチの悪いことは、
発想の自由を失うことなのだろう。
発想の自由を失えば極端な価値観にまっしぐら。
そして、そこにあるのは、いずれにせよ、悲劇的な末路。

不条理な世界が導き出したラストに、
違和感と恐ろしさを強く感じた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1396 / タイトル ら行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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