2016.08.04.Thu / 13:14 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

異文化の衝突。
拭いきれない相手への不信感、恐怖心。
忘れることが出来ない憎しみ。

争いが始まれば簡単には終わらない。
むしろ、簡単に拡大する。
争いが争いを産み、
殺すことに成れた者達の行為は、
残酷さを、さらに増してゆく。

長い時間を掛けて築いたユートピア。
生き延びることが出来た幸運。
それすらも一瞬にして失われる。

争いを好まず平和を望んだ人々。
お互いを理解することへの地道で長い道のり。
それすらも一瞬にして壊してしまう。

個人として接すれば信頼できると感じられる。
しかし、集団対集団では、その信頼も無力。


僅かに残されていた共存への道。
途切れそうな共存への道を支え続けた人々の努力。
その緊迫感と、最後に訪れる絶望。
争いの虚しさが心に残る映画。




人類の大多数が死滅した近未来。
知能を持った猿たちは森で彼らの村を創り、
生き残った人類は都市の残骸の中で、
残り少ない電力源に頼り、細々と生き残っている。
人類に起きてしまった惨事から、
幸運にも生き残ることが出来た、マルコム。
知恵とカリスマ性を備えた、
猿のリーダーである、シーザー。

猿と人間という異文化の接触。
そこで生じてしまう様々な悪感情。
相手に対する不信感。
猿インフルエンザに対する恐怖。
人間の仕打ちに対する恨み。
しかし、平和の為にお互いを受け入れようと努力する、シーザーとマルコム。

マルコムたちと猿との交流は見ていて微笑ましく、
時間を掛ければ共存さえ可能と思わせてくれる。
しかし、そんな幸せな時間は長くは続かない。

人間に与えられた恨みを忘れることができない、コバ。
シーザーが人間に歩み寄るのが気に入らない、
というよりも裏切られたという思いが強いのだろう。
人間に戦争を仕掛ける為に強硬手段を実施してしまう。

一度争いが始まれば、それを止めるのは難しい。
むしろ争いが争いを呼び、
相手を殺すことも厭わなくなる。
そして、死ななくてもよいはずの生命が、
理不尽にも、その命を奪われてしまう。

そんな争いの中でも共存の為に力を尽くすシーザーとマルコム。
仲間を説得し、争いの元であったコバを排除する。
しかし、すべては手遅れ。
戦争は始まってしまったのだ。
もう昔には戻れない。

一体、何が悪かったのか。
戦争の虚しさを忘れていたから。
相手への憎しみを捨てることとが出来なかったから。
けれど、それらは、とても難しい。

最後までお互いを信頼したシーザーとマルコム。
しかし、集団対集団の争いでは、それも無力。

戦争がなぜ起こり、なぜ止められず、なぜエスカレートするのか。
それが、とても判りやすく描かれた映画。
それ故に、マルコムとシーザーの願いと行為の尊さが実感できる。
そして、共存への狭き道が閉ざされないことを祈らざるをえない。
しかし、この映画の最後には、その道も閉ざされてしまう。

僅かに残されていた共存への道。
途切れそうな共存への道を支え続けた人々の努力。
その緊迫感と、最後に訪れる絶望。
争いの虚しさが心に残る映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1403 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.