白河夜船  
2016.08.08.Mon / 13:31 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。




命を吸い取られる


様々に事情を抱えた大人たち。
自らの力では解決は難しい。
他人にも頼れない。出口も見つからない。
ただ、耐えるのみ。
しかし、それはとても過酷な人生。
だから、他人の命を吸い取らざるを得ない。
しかし、吸われた人も過酷な人生を歩まざるを得ない。

職業として吸われることを選んだ女性。
不倫を通じて生命を吸われている女性。
方や自殺をし、方や命の危険を迎える。

他人の人生に寄り添い過ぎるのではなく、
自分の人生を生きること。
そうしなければ、自分を吸い取られてしまうのだろう。


生の世界と死の世界。
その境目の不思議さを感じた映画。
不倫をしている女性、寺子。
相手の男の底は見えている。
けれど、嫌いになれない。もっと甘えたい。
しかし、深くは踏み込めない。だから、どこか遠ざけている。
不倫相手との関係には、どこか、そんな矛盾した曖昧さを感じる。
そして、不倫相手は自分のことを深くは理解していない。
それも、良く分っていることなのだろう。


寺子の親友の、しおり。
他人の添い寝を生業としている女性。
しかし、ただ傍にいて寝ていればいいと言うわけではない。
様々に事情を抱え、癒されたいと願って来た客。
そんな人たちを相手にしなければならない精神的な痛み。
相手に共感してしまえば、痛みは増すばかり。
だから、しおりは自殺してしまったのだろう。


寺子の不倫相手である岩永。
妻は植物人間になってしまい、出口の無い生活を送る男。
だからなのだろう。
現実生活を感じさせない存在が岩永には必要なのだ。
けれど、そんな存在を得たとしても、
現実は無くならない。どこまでも追いかけて来る。


岩永の事情を知る。
自分たちのしていることを考える。
いったい、自分たちの関係はなんなのだろう。
当然だが、そこに答えは見つからない。
これが恋愛というものであれば、、、そう願ってしまうのだが、
本当は違うのだろう。
それは寺子が一番わかっていることなのだろう。


生きる為に貪るように眠る寺子。
そうしなければ、岩永と付き合うことには耐えられない。
けれど、眠ることは死の世界に近づくこと。
そして、生きる為には、別な方法もあるのだ。

死の世界に足を踏み入れそうになった。
けれど、自分を助けてくれた岩永の妻。
自分には、まだ、この世界で出来ることがあるのだ。


命を吸われ、死の世界を垣間見た。
生の世界と死の世界。
その境目の不思議さを感じた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1406 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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