タクシードライバー  
2016.08.19.Fri / 13:30 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






大都会に住む孤独な魂。
孤独ゆえに夜も寝られない。

世界は自分を無視してやりたい放題。
悪や汚いことがはびこっていても、誰も何もしない。
そんな世界に自分も何も出来ないでいる。
そして世界は自分を見てはいない。

世界と断絶していた青年。
孤独故の焦燥感。
そんな焦燥感がピリピリと痛む映画。



不眠症を患う、トラヴィス・ビックル。
タクシードライバを職業としている青年。
トラヴィスが感じる孤独。
世界は自分が存在していないかのように動いている。
誰も自分に見向きもしない。
乗客ですら自分の存在を無視し後部座席でやりたい放題。
たまに話しかけてくる乗客もいるが、
こちらの意見を求めているわけでもない。

だから思ってしまうのだろう。
この世界は間違っている、狂っている、
そして、自分が付き合うほどの価値は無い、と。
そう思えば思うほどに、断絶は深くなっていく。

そんな世界に見つけた一輪の花、ベッツィー。
自分と対等に付き合うことが出来る唯一の存在。
しかし、失敗してしまうトラヴィス。
どう見てもトラヴィスが悪いのだが、
トラヴィスは自分が悪いとは思っていない。


世界を見返すために、なにか大きな事をしたい。
自分を鍛えて、準備をし、世界に見せつけたい。
自分自身が持っている価値を。
正しいのは俺自身であることを。


大統領候補の暗殺には失敗したが、
幼き少女を売春業から救い出すことができた。
とりあえずは、世界は自分を賞賛するようにはなった。
けれど、大統領候補の殺害が実行されていたら、、、
その場で捕まっていたのなら、、、
このような結果にはならなかっただろう。


はたしてトラヴィスは、今後どのように生きてくのか?

ベッツィーに対しては、すでに興味を失っているように見える。
だから現実世界と折り合いをつけて生きていくわけでは無さそうだ。

または、自分勝手な理屈を振りかざし銃を使って無茶をするのだろうか?
多分、そうなるのだろう。


この映画の背景として、
トラヴィスがベトナム戦争の帰還兵ということが、
重要な意味を持っているらしい。
けれど、個人的には、そのようなことはあまり感じられなかった。
戦争によって正常な青春を奪われ、
他人との付き合い方がわからない、ということなのかもしれない。

精神的に幼すぎて自己を確立できないでいる。
だから、他人から認めてもらいたいと願っている。
けれど、自分自身が他人を認めなければ、
他人も自分を認めようとはしない。
世界との距離のとり方も学んではいないし、学ぶ機会もない。

世界と断絶していた青年。
孤独故の焦燥感。
そんな焦燥感がピリピリと痛む映画。


* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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