葛城事件  
2016.10.13.Thu / 13:09 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






家族を愛していた父親。
父親を乗り越えられず自殺した長男。
父親に復讐する為に死を選んだ次男。
何も出来ない妻。そして部外者。

個々人の断絶。
お互いを想いはすれど、
それは相手には届かない。
そんなコミュニケーション不全の中で、
悲劇は起こってしまう。

一昔前であれば、殺人事件などは起こらず、
子供たちは親を乗り越えて行ったのだろう。

一体、何が悪かったのか?
何をすれば、こんな絶望に行き着かなかったのか?

部外者が考える一般常識では何も変わらない。
底無しの絶望に憂鬱にさせられる映画。



弁が立ち、自分の価値観に絶対的な自信を持つ、葛城。
自分の価値観を強く他人に押し付ける男。
多分、このような男は、昭和の時代には、
頑固オヤジと呼ばれ、沢山いたのだろう。
けれど葛城とオヤジとの大きな差異は、
愛嬌を感じさせてくれるかどうか、なのだろう。
あまりにも弱い、葛城以外の家族。
だから、葛城は強くて、けれど、とても孤独に見える。

あまりにも強い葛城。
だから、長男は抵抗もできない。
そして、次男は逃げ出すしかない。
妻は何も出来ない。従うしかない。

それでも葛城は葛城なりに家族を愛していた。
家族の為に家を建て、みかんの木を植え、
長男に大きな期待を寄せ、次男を叱咤する。
そんな思いは家族には伝わらなかったのだ。

職を失い途方に暮れた長男。
けれど、過度な父親の期待に真実を話すことも出来ず、
自殺するしか術がなかった。

引き篭もり、凶行に走る次男。
一発逆転を嘯いていたのは、父親を見返したいが為。
そして、犯罪を犯したのも、父親を見返したいが為。

葛城の元を逃げ出した妻。
逃げ延びた先での三人で談笑している時の幸せな風景。
しかし、葛城がやってきた後の緊迫感。
そして、葛城に従うしか道が無いことを悟ったのだろう。
そんな絶望が妻を狂わせてしまったのだろう。

家族に成れると信じて葛城家にやってきた星野。
彼女の理想も、この家族には通じない。
すでに家族は壊れていて、部外者が立ち入る隙もない。

家族を失い、家族を欲した葛城。
底無しの絶望に憂鬱にさせられる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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