カティンの森  
2016.10.20.Thu / 13:16 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






二つの強国に挟まれた、
ポーランドという国の悲劇。

強国に翻弄され、
自国民を虐殺されても、
咎めることすらできない。

自らの課せられた責務の為に、
死んでいった男たちの気高さ。
自らの罪を、
世界から悪と認められた存在に、
なすり付ける強国のエゴ。

複数の人々が登場し、
ポーランドの歴史背景を知らないと、
ストーリーは追いにくい。

けれど、アンジェイ・ワイダ監督の静かな怒りは伝わってくる。
ラストでの大量虐殺の描写。
冷徹で生々しく、しかも辛らつで容赦ない描写。
二度とこのようなことを起こして欲しくないとか、
戦争は反対だとかという論理的な訴えを超えて、
行き場の無い静かな怒りが、熱い熱を帯びて、
未だに、くすぶっている。
そんなラストに圧倒される映画。



1939年。
同時に強国であるドイツとソ連に攻められ、
あっけなく分割占領されてしまったポーランド。
橋の上で逃げ惑う人々。
進めども、戻れども、もはや安住の地はどこにも無い。
国旗は引き裂かれ、
男たちは捕虜として連行され、
分割統治されたが故に街と街との行き来もまま成らない。

捕虜として連れて行かれる男たち。
生きて帰れる保障はまったく無い。
逃げ出すことも出来ただろう。
しかし、自らの責務に忠実たるが故に、
あえて逃げ出さず死地に赴いた男たち。

ドイツが発見した無数の死体。
犯人は明白なはずだった。
しかし、統治する者たちの都合により、
犯人は変わっていく。
反論できない者たちに罪は着せられ、
それを事実として強要される。


最後に戻ってきた手帳。
望みは絶たれ夫は帰っては来ない。
けれど、夫の最後を知ることは出来た。


大国のエゴによって翻弄され続けたポーランド。
そんな歴史を前にして、
アンジェイ・ワイダ監督の静かな怒りは伝わってくる。
行き場の無い静かな怒りが、熱い熱を帯びて、
未だに、くすぶっている。
そんなラストに圧倒される映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1434 / タイトル か行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.