日本のいちばん長い日  
2016.11.24.Thu / 21:17 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






一旦始めてしまった戦争を、
終わらせるのは至難の業だ。

自らが捨て石となる覚悟をもって、
戦争を終わらせようとした男たち。

自身の安全よりは国民の命を思った天皇。
内閣の意見をまとめる為に苦心した首相。
若者たちの暴発を抑え彼らに国の未来を託した陸相。

このようにして、
国が分裂することもなく、
さらなる原爆の被害を防いで、
復興の種を残しつつ、
戦争は終わらせることができたのだろう。

日本国民を守り戦争を終わらせることができた男たち。
そんな人々の想いに敬意を感じる映画。



太平洋戦争末期。
すでに日本に戦う力は残されておらす、
残されたのは特攻という命を犠牲にする作戦のみ。
そんな状況下に戦争を早期に終わらせようと苦心した男たち。
この戦争をどのように終わらせるべきか?
誰もが戦争は終わらせるべきだと理解している。
しかし、決めることができない。口にも出せない。
戦争に負けたのなら日本はどうなるのか?
国体の維持。
武装の放棄。
受け入れがたい様々な条件。
しかし、天皇のご聖断という禁じ手を持って、
内閣の意思を統一させた、鈴木首相。


自分の保身よりは国民の命を守りたい。
だからこそのご聖断。
戦争継続を上奏する東條。
しかし、それを強い意志で否定した天皇。


声高に徹底抗戦を訴える若き将校たち。
受け入れがたい敗戦という事実。
未だ負けたことがない日本陸軍という誇り。
敗戦後の天皇に対する戦勝国の扱い。
そして、まだ自分たちはやれるという自負。
それらを事実誤認というのは簡単だ。
しかし、当時の状況ではやむを得なかったのだろう。
だからこそ、抑えたい。
彼らを無事なままで。
彼らの暴走を抑えるために自らの命を絶った阿南陸相。


この映画はリメイク映画であるが、
当然、別物の映画として見るべきだろう。
しかし、どうしても比較してしまう。
岡本監督版が、混乱を中心に描いたのに比べ、
原田監督版は、戦争を終わらせた男たちが中心に描かれている。
それにともなってなのだろうか。
阿南陸相の描かれ方も違っている。
岡本監督版では主戦的に感じた阿南陸相。
しかし、原田監督版では、陸軍の暴発を抑えることに苦心している。

多分、徹底抗戦を訴える若手将校たちの気持ちは、
現代では理解されなさそうであるが故の変更のように思える。
終戦の顛末を知り、現代の復興を知り、
アメリカという国の国力を知っているれば、
若手将校の気持ちは、無知で無謀で浅はかな主張と映ってしまう恐れがある。
混乱を描くよりは国を救った男たちを描いたほうが、
今の観客に受け入れ易い、と判断したのではないのだろうか?



国が分裂することもなく、
さらなる原爆の被害を防いで、
復興の種を残しつつ、
終わらせることができた戦争。

日本国民を守り戦争を終わらせることができた男たち。
そんな人々の想いに敬意を感じる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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