恋人たち  
2017.01.05.Thu / 20:01 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






厳しい現実。
冷たい不条理。

それでも彼らは。
恵まれているのかもしれない。
少なくとも自らが幸せになれるであろう道は、
まだ、失われてはいない。
それは、自分の不幸に捕らわれていては、
見えてこなかったこと。

暖かく見守ってくれていた会社の先輩。
それでも愛してくれている夫。
他人の痛みを感じる事ができるようになった自分の心。


暗くて重い絶望にも光は差し込む。
そんな光が眩しく感じられた映画。



理不尽にも愛妻を通り魔に奪われた、アツシ。
代わり映えのしない日常を送る主婦、瞳子。
上から目線で周りを否定する弁護士、四ノ宮。
犯人に復讐したい。
心の空白を埋めるには、それしか方法がない。
けれど、取り得る手段は、とても少ない。
しかし、それのみを心の支えとして生きている。

こんな境遇を誰も理解してはくれない。
すれ違った女学生も、
保険課の職員も、
仕事を依頼しようとした弁護士も、
その弁護士を紹介した先輩も、
誰も自分の気持ちを理解してはくれない。



毎日が同じ事の繰り返し。
それに疑問も持たず、抗うこともせず、逆らうこともできず、
毎日が続いてゆく。

そんな日常に変化が起きる。
知り合った男性は自分を違う世界に導いてくれる。
相手を愛しているのか、愛されているのか。
それは問題ではないのだろう。
日常を壊したい。
王子様がやってくるような日常に変えたい。



今日も訳も分からない依頼人の相談を受ける。
依頼人は偏見と差別意識を強く持つ女子アナ。
けれど、自身も偏見と差別意識を強く持っている。

それでも愛している人に偏見を持って欲しくはない。
たとえ、叶わない愛だとしても。



復讐心に捕らわれたサトシ。
しかし、それを暖かく見守ってくれていた先輩、会社の同僚。
サトシだって、そんなことには気づいている。
テレビを誘ってくれた母親に、「ありがとう」のセリフに泣かされる。
それでも、なかなか前に進めない。

死のうとして失敗し、死ねないでいる。
幸せなカップルを見て、自分が一番幸せだった時のことを思い出す。
まだまだ、時間が掛かるだろう。
けれど、前を向いて生き始めるサトシ。
それは自分を支えてくれる人がいる限り。



知り合った男性が薬中な男だったことが分かった瞳子。
そんなことは、どうても良かったのかもしれない。
けれど、思い出した自分の夢。
映画では明確には語られない。
けれど、瞳子が語る話の流れからすれば、
今の旦那に関係することのように思われる。
実は、昔見ていた夢の途上に今の生活があるのかもしれない。
そして、子供を作ろうと提案する夫。
夫は寡黙なのだけれど、それでも召使などではなく、
瞳子を一人の女性として、一応は見ていてくれたのだろう。



映画の冒頭では女子アナを馬鹿にしていた四ノ宮。
しかし、今ならば女子アナの気持ちが分かる。
愛し合っている同士が分かれなくて済む。
それが、うれしかったのだろう。
そんな気持ちを忘れなければ、未来は明るいだろう。


暗くて重い絶望にも光は差し込む。
そんな光が眩しく感じられた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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