ミュンヘン  
2017.02.09.Thu / 21:32 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






報復の連鎖に陥ってしまった人々。
それは死ぬまで続くであろう生き地獄。

国の為に、
同胞の敵を討とうとした男。
存在しない人になり、
人を殺し、
神経をすり減らして消耗してゆく。

最初は、その意義がわかっていたはずだった。
しかし、迷路に迷い込み、周りを疑い、
大儀を失っていく。

果たして自分は誰を殺したのか?
そして、何を守ったのか?

最後には祖国を捨て去った男。
復讐が醸し出す暗闇。
謀略が醸し出す暗闇。
報復の迷宮の救われ難さを描いた映画。



「断ったら後悔する。」
ミュンヘンオリンピックの最中、
殺されてしまった同胞たち。
国を守るため、そして、さらなる犠牲を防ぐ為、
報復行動を決意したイスラエル。
その任務に就いた、アヴナー。
真面目で実直、国を愛していた男。
11人の標的たち。
多少のアクシデントはあるが、
最初のうちは成功する暗殺。
しかし、次第に困難を極めてくる。

自分たちの存在を敵に感づかれた。
巻き込んではいけない人々を巻き込んでしまった。
そして標的は、どう見ても普通の男。


標的の居場所を教えてくれている情報提供者、ルイ。
国相手の取引を極端に嫌う男。
それもで、
嘘をついてでも情報は提供してもらわざるを得ない。
けれど、ルイは本当に信頼できるのだろうか?


ギリシアでの作戦中、
偶然にも隠れ家に同居することになった敵の男たち。
ラジオの番組を取り合いになるものの、
最後には妥協点を見出すことができた。
けれど、敵には敵の主義と信じる事があることを知る。


仲間が殺された。
その敵を討ったアヴナーたち。
しかし、それは個人的な復讐。
一線を越えてしまったアヴナーたち。


ミュンヘン事件の最大の黒幕とされるサラメ。
殺害の直前で邪魔が入る。
これは偶然か、それとも、CIAの差し金なのか?


次から次へと死んでゆく仲間たち。
標的を殺しても、さらなる仕事が待っている。
標的としてきた男たちは本当に殺すべき相手だったのか?
そして、果たして誰が信じられるのか?
誰も信じてはいけないのではないのだろうか?
それは、祖国でさえも。
自分も自分の家族も命を狙われているのではないのだろうか?


果たして自分は誰を殺したのか?
そして、何を守ったのか?
復讐が醸し出す暗闇。
謀略が醸し出す暗闇。
最後には祖国を捨て去ったアヴナー。
捨てなければ、その暗闇に飲み込まれ、
精神をすり減らして発狂するか、
誰かに殺されてしまうのだろう。
自分たちがしてきたとおりに。

最後に明かされるミュンヘン事件の顛末。
国はテロと妥協することはなかった。
見殺しにされてしまった選手たち。
犠牲になるのは、いつも末端の人々なのだ。
そうなる前に家族のもとに帰ることができたアヴナー。
妻と子供が彼の心の傷を癒してくれるだろう。

報復の迷宮の救われ難さを描いた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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