くちびるに歌を  
2017.03.16.Thu / 12:10 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






悩みや悲しみは人生についてまわる。
誰にも避けては通れない。

けれど、勇気をもってそれに立ち向かう。
自分だけならば、くじけてしまうかもしれない。
しかし、隣を見れば、誰もが戦っている。

戦っているからこそ、
逃げ出しそうな人の気持ちも、よくわかる。
だからこそ、応援したくなる。
そして、自分自身にも勇気が湧いてくる。


過去の傷故に逃げてきた女性。
父親に捨てられ逃げ出しそうになった女学生。
しかし、お互いがお互いを支え合唱を完成させる。

そんな彼女たちに胸が熱くさせられる映画。




長崎県の離島に、
親友の代理の音楽教師として働き始めた、柏木ユリ。
しかし、愛想もなければ、生徒になじもうともしない。
まるで、やる気が感じられない女性。
しかし、それには理由がある。

中学の頃から付き合っていた許婚。
完徹続きであるにも関わらず、
許婚は無理をして、
自分のコンサートに駆けつけようとし、
事故で死んでしまった。

誰かを幸せにするためにピアノを弾いていたユリ。
しかし、そのピアノが許婚を殺してしまった。
そして、ユリは自分を責め続けている。
ピアノが弾けなくなってしまっている。


父親に捨てられた仲村ナズナ。
それ故に男を毛嫌いしている女学生。

父親は憎い。けれど、嫌いに成れないでいる。
自分を捨てた父親が帰ってきた。
どのように接していいのか、戸惑うナズナ。
そして、わずかに湧いてくる儚い希望。
父親は、このまま自分たちと暮らしてくれるのでは、、
けれど、その希望は無残にも裏切られる。

自分なんて生まれてこなければ良かった。
そうすれば母親は、あんな男と結婚せずに済んだ。
不幸なままで、死ぬことも無かった。


自閉症を患う兄を懸命に世話する、桑原サトル。
引っ込み思案。兄の世話で忙しく友達もいない男子学生。
兄には感謝している。
だけど、たまに。ほんのたまに。
兄を疎ましく感じてしまう。
合唱を始めて友達もできた。
それでも、兄への感謝を忘れずに、
兄を世話して生きてゆく。



誰もが悲しみ、悩みを抱えている。
それでも懸命に立ち向かおうとしている。


もし、まだ、自分のピアノに人を幸せにする力があるのなら、、
目の前に居る、悩みと悲しみを抱えているナズナに、
勇気を与えることができるのなら、、、

勇気を失うな。
くちびるに歌を持て。
心に太陽を持て。

再びピアノを弾き始めたユリ。
その想いはナズナに伝わっただろう。


皆が慕っていた、ハルコ先生。
しかし、合唱コンクール当日、容体が悪化してしまう。
皆が不安になる。
そして死んでしまった母親のことを思い出したのだろう。
悲しみと混乱で逃げ出しそうになったナズナ。
けれど、逃げるな。
皆で立ち向かえ。

その想いはハルコ先生に届いたのだろう。



自分なんて生まれてこなければ良かった。
きっと母親も、そう思っていたはずだ。
けれど違うのだ。
あんたが居てくれてよかった。ありがとう。
あんたもおってくれて良かったよ。
兄にとっては、それはとても幸福な記憶。
そして、それはナズナにとっても。


皆が心を一つにして歌う、マイバラード。
皆が参加してくれる。
それは、とても幸福なシーン。


誰もが悲しみ、悩みを抱えている。
それでも懸命に立ち向かおうとしている。
そんな人々に胸が熱くさせられる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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