2017.04.13.Thu / 19:43 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






重すぎる責任と使命を負わされ、
しかし、権限は貰えない。
それでも任務を果たそうと奮闘する男。
そんな男を支える腹心の部下たち。

権限が与えられなかったのは組織上の制約の為。
けれど使命が与えられたのは上司が信頼しているからこそ。

現場に吹き荒れる逆風。
しかし、キレることなく職務に邁進した男。

あさま山荘事件を描いたというよりも、
困難な道を選択せざるをえない男の苦闘が印象に残る映画。



警察庁に努める、佐々淳行。
海外出張から帰国したばかりだというのに、
あさま山荘事件の指揮を執ることを命じられてしまう。
人質は必ず救出せよ
犯人は全員生け捕りにすべし
身代わり人質の要求には応じない
火器の使用は警察庁許可事項
報道関係と良好な関係を保つ
警察官に被害を出さぬように慎重に
警察庁長官からの条件は非情に厳しい。
しかも必要な肩書は与えられない。

長野県警と警察庁、警視庁の不和。
通信機器の不調。
面割写真は容易に撮れず、
記者の写真を借りることになる。

事件解決への道は一向に進まず、
周りからは無責任な暴言ばかりが届く。

圧倒的に不利な地形。極寒の冬山。

スタンドプレイの果てに、撃たれてしまう警官。
そして、遂に出てしまう民間人の犠牲者。

これでは、竹刀なしで剣道の試合に望み、おまけに目隠し状態。
しかし、それでも試合を諦めない、佐々。
今後、自分の了解なしに部隊を動かした者は解任。
後藤田長官に叱咤激励され、遂に強硬手段に出る。


集団で何かを成すということは、
一人で事に当たるのとは違う難しさがある。
異なった組織から成る集団であるなら、なおさらだ。
本当は皆が同じ目的を持っているはずなのに、
しかし、個人の心情や面子、属する組織の違いなどにより、
本来の目的を見失いがちだ。
しかし、それらを否定したのであれば人は動かない。
頭ごなしに命令を出しても人は表面的にしか言うことを聞かない。

自分の了解なしに部隊を動かした者は解任。
本来ならば最初に徹底させておかなければならないことなのだろう。
けれど、最初からこのような発言をすれば拒否されるのは見えている。
しかし、今やっと皆が理解したことなのだろう。
このように異なった組織から成る集団を動かすのは非常に難しい。

これは、指揮官のヘルメットに貼ってある白ラインにも、
同じことが言えるだろう。
あの時、無理にでも言うことを聞かせていれば、、、
しかし、それは無理だったのだろう。


東京から腹心の部下たちを呼び寄せ、
遂に突入を決行する佐々たち。

混乱する現場を飛び回る佐々。
指揮官を失い、興奮し、冷静さを失った隊員たち。
無線越しでは人は動かない。
最前線でなければわからないことはある。
最前線で状況を確認し、
10分の延長放水での対応を決断する佐々。

報道陣の前を犯人を連行する際に、
決死隊に志願した長野県警隊員を先頭にすることを指示する佐々。
このような気配りがあるからこそ、
彼も部下たちも彼についていくだのろう。


ヘラクレスの選択。
今日だけはゆっくり休めるのだろうが、
しかし、明日からは、また、過酷な日々が始まる。
なぜなら、佐々には、それだけの能力があるから。
そして、長官から認められ、信頼されているから。

誰かがやらなければならないのなら、俺がやる。
そんな気概を持つ者だけが、
ヘラクレスの選択という過酷な人生を歩めるのだろう。


常に最前線に立ち続けた佐々。
あさま山荘事件を描いたというよりも、
困難な道から逃げなかった男の苦闘が印象的な映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1480 / タイトル あ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.