高地戦  
2017.05.18.Thu / 19:40 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






内通者を探して最前線に赴いた男。
けれど、彼が見た戦場の真実、不条理。

戦場では生き残ることこそのみが勝利。
それは軍の上層部には理解されない真実。
しかし兵士たちにとっては普遍的な事実。

だから、兵士にとっては、
戦時以外では敵はいないのだろう。
戦っている時以外であれば友好的にもなれるのだ。

しかし、すでに彼らはずっと以前に死んでいる。
多くの人を山ほど殺しまくったが、
今以上の地獄がないから、
ここで戦わされている。


どこかで見たことがあるシーンや、
どこかで見たことがある設定。
それでも、韓国の人々が経験してきたという事実が、
この映画の重さを増している。
フィクションが含まれているのかもしれない。
それでも、彼らが戦争を経験したという歴史が、
この映画に真実味を持たせている。


ただ、生き延びるために犯した罪。
しかし、それによって狂わされた彼ら。
戦争の不条理が心に重くのしかかってくる映画。
内通者と前中隊長の死の真相を探るべく、
最前線に赴いたカン中尉。
職務にとても誠実で、不義、不正は許せない男。

最前線では、
2年前に戦場で別れた親友、キム中尉に巡り合う。
しかしキム中尉はカン中尉が知っていた男ではなかった。
二年という地獄の経験が、キム中尉を別人に変えてしまっていた。


果たして前の中隊長は誰に殺されたのか?
味方に内通者は、いるのか?
そして、補項では何があったのか?

それらは全て生き延びるため。
戦場では生き残ることこそのみが勝利。
そして戦っていない時であれば、
交流は可能なのだ。
なぜなら彼らは憎みあった敵同士ではないからだ。


同じ国に暮らしていた同胞がお互いを殺しあう。
高原は奪われ、奪い返し、さらに奪われる。
無能な上官の命令には逆らえず、
停戦の協定は遅々として進まず、
兵士たちは消耗してゆく。


停戦が決まり安堵したのもつかの間、
停戦直前まで総力戦を命令されてしまう両軍。
所詮、軍の上層部にとっては。
兵士は消耗品でしかないのだろう。

生き残る為に、
自分の良心を誤魔化して、多くを殺してきた。
だから生きては帰れないのかもしれない。
そして、昔の自分は、もう存在しない。
遠い昔、殺人を犯してしまった時点で、
すでに死んでしまっている。
生き延びる為には自分自身をも殺さなければならないのだ。


戦争の不条理が心に重くのしかかってくる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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