悲情城市  
2017.06.29.Thu / 21:26 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






日本が撤退し大陸から来た中国が台湾を治める。
その激動の時代に翻弄される台湾の人々。

征服者である日本から解放される喜び。
隣人である日本人との別離の悲しみ。
新しい時代への希望。
しかし、大陸から来た外省人たちの横暴。
日に日に募る不満。
その不満が最悪の形で暴発し悲劇を生む。

祖国の未来を憂いた人々。
純粋に隣人の心配をしただけの青年。
しかし、彼らは帰らぬ人となってしまう。

外国に翻弄された台湾の人々。
その哀しみが静かに、しかし重く心に圧し掛かってくる映画。



台湾北部で、船問屋と酒家を営む林一家。
親分肌の長男。
戦争に行き行方が分からない次男。
戦争から帰ってきた三男。
そして、耳が聞こえない四男。
日本の玉音放送。
けれど、それには関心を示さない長男。
生まれてくる子供の方が重要なのだ。

戦争に行った次男と三男。
それを強要したのは日本。

ブタ箱に入れられようとも、
日本の統治に抵抗をし続けた長男の父。

しかし、そんな時代も終わりを告げる。
日本の占領は終わり、新しい時代がやってくる。



終戦により台湾を離れなければならない静子さん。
静子さんが残した竹刀と着物。
日本の美しい歌。

桜は美しいままに散ってゆく。
そんな桜を愛でている日本人。
その心情を理解する台湾の人々。

征服者としてではなく、
良き隣人としてであれば、
お互いを良く理解できるのであろう。



大陸からやって来た外省人。
特権を利用し私利私欲を貪る。
違法な商売を持ち掛け儲けようとする。
物価は高騰し失業者が増え、生活は苦しくなる。
日本から受けた教育は奴隷化教育。
そんな教育を受けた本省人は要職に就くことができない。
希望は失望へと変わり、さらに不満へと変っていく。



台湾には親日家が多いと聞く。
それは日本の文化を理解している人が多いとか、
日本の占領政策が上手にいっていたとか、
日本の後にやってきた外省人の統治が劣悪だったとか、
様々な理由があるのだろう。
けれど、日本が不当に台湾を占領していたという事実は変わらない。
親日家が多いからといって忘れてはいけない事実なのだろう。


同じ中国語でも、地域によっては全く異なる。
だから、直接話ができない外省人もいる。
台湾の複雑な事情を象徴しているようにも感じられた。



2月27日。遂に起こってしまった悲劇。
お互いを敵視し殺しあう本省人と外省人。
本省人が外省人を見分けるのに、日本語を利用するのが興味深い。

ささやかでも良いから平和に暮らしたい。
祖国の将来に、その身を捧げたい。
隣人と家族に安らかに暮らして欲しい。
そんな人々の願いも踏みにじられ、弾圧は続く。
命の価値は軽んじられ、簡単に奪われる。長男も四男も。
山奥の農村にまで踏み込まれ、逃げる場所もない。
そして台北が臨時首都に決まる。


複雑で哀しい台湾の歴史。
外国に翻弄された台湾の人々。
その哀しみが静かに、しかし重く心に圧し掛かってくる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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