ピース オブ ケイク  
2017.09.14.Thu / 13:01 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。







用心深く、思慮深くしなければ、と思う理性。
男を欲し、男に依存してしまう本能。
そんな相反する心の狭間で揺れ動き、もがき続ける女性。

しっかりしなければ。
でも微妙な関係が心をかき乱す。

恋愛の初めは些細な事でも、
たとえ欠点であっても、
好ましく見える。
それはとても幸せな事。

恋愛が授受し、幸せな絶頂にいても、
頭を擡げるのは、悲劇の予感。
彼が私を好きなのは
私が特別な存在なのではなく、
私が彼を好きなだけだから。
だから元カノが戻ってきたら、
彼女の元に戻ってしまうだろう。


彼の優しすぎる態度。
目の前に見えることを信じていればいいという理性。
何かを隠しているのではと感じてしまう本能。


裏切られても、
本当は好きだと感じている本能。
けれど、裏切りは未来においても起こりうると理解する理性。
しかし、最後には本能に従い、
元のさやに納まる二人。

揺れ動く心が時に切実に、時にコミカルに、
感じられた映画。


いつの間にか艶っぽくなった多部未華子さん。
男と抱き合うシーンよりもキスシーンの方が艶っぽくて印象的。
おかま役が妙にはまっていた松坂桃李さん。
不思議な存在感を放つ光宗薫さん。
菅田将暉さんの、あるある感いっぱいの軽い男。
柄本佑さん演じる元カレのいやらしい感じ。
田口監督映画の常連、峯田和伸さんの可笑しさ。
だらしなさと誠実さを一人の人間として見せる綾野剛さんの演技力。
そんな役者さんたちの演技も魅力的な映画。
自虐的に、植物を買っては枯らすと独白する、志乃。
植物は恋愛を象徴しているのだろう。
男に流されるままに恋愛し、
流されるままに浮気し、
彼と職を失ってしまった女性。

心機一転、しっかりしなければ。
そんな誓いも空しく、
風が吹いて、隣の男、京志郎に魅かれてしまう志乃。
それでも慎重に、慎重に。
そして、京志郎には同棲相手がいる。
しかし、京志郎の意識はしていない思わせぶりな態度に、
京志郎を諦めきれない志乃。


元カノが失踪し、付き合うことになった志乃と京志郎。
借金苦に苦しむバイトに店の金を渡す京志郎。
そんな京志郎の態度に、京志郎をますます好きになる志乃。
この京志郎の行為には賛否両論あるだろうが、
恋している志乃には美点にしか見えないのが微笑ましい。

鍋を取りに京志郎の部屋に入る志乃。
そこには、未だに元カノがそこに居たという生活感が感じられる。
この部屋は嫌だ。
しかし、それ以来、元カノの存在を意識せざるを得なくなる志乃。

別れが唐突で突然だった。
だから、元カノが戻ってきて、頼られれば断り切れない。
相手が孤独であれば、なおさらだ。
それは、志乃を愛しているとしても、
裏切り行為だと判っていても、断り切れない。
京志郎というより、大抵の男は、そんな生き物なのだろう。

妙に優しい京志郎を怪しいと感じつつも、
信じようとする志乃。
浮気を隠すために優しくするのは逆効果なのだ。
ほどなく元カノの存在を知ってしまう志乃。
男風呂に単身乗り込む志乃の凄まじさが、しかし、可笑しい


別れてから一年半。
劇団の仕事に邁進する志乃。
舞台袖に劇の進行を見守る志乃からは、
以前の志乃とは変わったように感じられた。
流されるままに恋愛を重ねた志乃とは。

心の底では、未だに京志郎が好きだ。
けれど、裏切られたら次も裏切られる。
だから赦すことができなかった。
しかし、最後には本能が勝ってしまう。
だから恋愛はサイアクなのだろう。

揺れ動く心が時に切実に、時にコミカルに、
感じられた映画。



* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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