バベル  
2017.09.21.Thu / 21:39 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






この世界に存在する、
幸せを阻害する障害。
銃やテロ、国境や言葉の壁。

不幸を願ったわけではない。
しかし、愚かにも障害に足をすくわれ、
不幸に陥る者。命を落とす者。
しかし、かろうじて最後には幸せを得る者。
それは運命のいたずらや、
彼ら自身の幸運や不運がもたらした結果なのだろう。

幸せと不幸せへの分かれ道。
その分岐点は誰にもわからない。
賢く、その道を見極めようとしても、
それは難しい。

もし、人間の幸せを邪魔しようと、
それら障害を世界にバラまいたものが居たとすれば、
それは神なのだろうか?
この世界を支配する不思議な障害。
そんな障害の存在に人の業を感じる映画。




幸せに暮らしていた、モロッコの山羊飼い一家。
便利になるはずの道具、ライフル。
意図せず人を撃ってしまい、長男は死んでしまう。
ライフルという存在が、
この家族には似つかわしくない道具であったのか。
長男が次男に向けた嫉妬心が元凶なのか?
しかし、もはや取り返しはつかない。


子供を失い、生まれてしまった夫婦間の溝。
その溝を埋める為の二人だけの旅行。
しかし、溝は埋めることができない。
けれど、撃たれてしまった妻。
テロを恐れて動けない大使館。
孤立無援の中、何もできない夫。
徐々に病状が悪化していく妻。

夫婦間の溝が悪かったのか?
迅速に救援されないのは、
この世界を取り巻く国際情勢が悪いのか?
しかし、幸いにも妻は生還を果たし、
夫婦の絆は深まった。


普通に他人と接したい聾唖の女子学生。
しかし、周りは彼女を異様な目で見る。
やっと自分の居場所を見つけたと思ったが、
それは友人に取られてしまう。
というよりも相手は誰でも良かったのかもしれない。
孤独による寂しさ、思いが伝わらない苛立ち。
若い刑事にその想いをぶつけたら、返ってきたのは優しさ、思いやり。

聾唖が悪いのか。耳が聞こえないことは悪いことなのか?
そうではないと世界は言っているのに、
私に向けられる異様な眼差し。
異端を嫌う心。差別を生む心が悪いのか?
しかし、父親に対して素直に成れた女学生。


ベビーシッターである女性。
子供たちの面倒を見なければならない。
けれど甥の結婚式も重要だ。
子供たちを連れての国境越え。
帰国もスムーズにいくはずだった。
しかし、砂漠に取り残されてしまう、ベビーシッターと子供たち。

結婚式に出ようとしたのが悪かったのか?
国境を無謀に越えようとしたことが悪かったのか?
子供たちは無事に保護されたが、
16年間暮らしてきた場所を追われてしまうベビーシッター。



この世界に存在する、幸せを阻害する障害。
不幸を願ったわけではない。
しかし、愚かにも障害に足をすくわれてしまう人々。
もし、人間の幸せを邪魔しようと、
それら障害を世界にバラまいたものが居たとすれば、
それは神なのだろうか?
であるならば人は簡単には幸せにはなれない。
幸運や偶然が上手に巡り合わなければ、
人は幸せを手にできないのだろう。

この世界を支配する不思議な障害。
そんな障害の存在に人の業を感じる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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