少女ファニーと運命の旅  
2017.09.28.Thu / 22:07 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






子供たちだけでの、
ナチス支配下のフランスからの逃避行。
リーダーに指名されたのは、
まだ13歳の少女。
しかし、過酷な現実は、
彼女に大人になるように迫ってくる。


皆が不平や不満、そして不安を口にする。
けれど、リーダーには、それができない。
皆に不安な顔は見せられない。


一体どうしたら皆が助かるのか?
どうしていいのかが分からなくても、
リーダーとして自分が自分だけで決めなければならない。
誰にも相談することはできない。

けれど、大人たちは陰ながら、
この少女たちの逃避行を支え、助けていたのだろう。

少女の最後の決断と行動。
そして、それを支えた手紙と青年からの言葉。
少女の健気さと大人たちの祈りにも似た愛情が心に残った映画。



ユダヤ人の少女、ファニー。
お姉さんではあるが、まだ、あどけなさも残る少女。
しかし、過酷な現実が、ファニーに、
年相応な甘えを許さない。
大人が計画したナチスからの逃避行。
しかし、大人は最後まで、
子供たちを引率することができなかった。
リーダーに指名されたファニー。
本当は不安でしょうがない。
不平や不満をぶちまけたい。
けれど、自分がそんなことをしたのなら、
自分よりも幼い子供たちが余計に不安になる。
だから、不安は見せられない。


危険な逃避行の最中でも、
遊びに興じる彼ら。
その幸せそうな、あどけない笑顔。
しかし、現実に戻った時の緊張した面持ち。
それらの対比が、雄弁に、
彼らの置かれた立場の悲惨さを感じさせる。


「私たちはユダヤ人? 悪いことならユダヤ人をやめれば?」
もちろん、ユダヤ人でいることは悪いことではない。
そして、ユダヤ人をやめることもできない。
無知ゆえの発言、というよりも、
彼らの置かれてた立場の不条理を強く感じさせる。


一緒に逃げていたユダヤの少年、ヴィクトール。
最初はファニーと反目していた。
取っ組み合いの喧嘩までした。
けれど、ファニーのリーダーとしての辛さを、
ヴィクトールは理解したのだろう。
次第にファニーに協力的になる。
それが、微笑ましくも嬉しい。


ファニーの唯一の心の慰めは、
カメラを通して見る幸せだった過去の日々。
しかし、そのカメラも手放すことを決める。
助けてもらったおじさんに恩返しがしたい、
というよりも、
成長したファニーには、もはや不要になった、
というように感じられた。


遂にスイスとの国境は目の前。
懸命に走って、なんとかたどり着けた。
しかし、一人取り残されてしまう年少の少女。
銃を持ったドイツ兵がこちらに狙いを定めている。
しかし、少女のもとに走り出したファニー。


途中まで引率してくれていた青年、エリー。
しかし、彼はナチスにつかまってしまう。
エリーがファニーに託した手紙。
そして、「銃撃を受けたらジグザグに走るんだ」。
そんな言葉がファニーを助ける。
手紙には何も書かれてはいなかった。
けれど、手紙を届けなくてはいけないという気持ちが、
ファニーを後押しし続けたのだろう。

最後まで引率できなかったエリー
しかし、エリーは陰ながら、
このファニーたちの逃避行を支え、助けていたのだ。

少女の最後の決断と行動。
そして、それを支えた手紙と青年からの言葉。
少女の健気さと大人たちの祈りにも似た愛情が心に残った映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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