ディアーディアー  
2017.10.19.Thu / 15:08 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






嘘つき呼ばわりされ、
人生が狂ってしまった三兄弟。

地元に縛られる長男。
心に病を抱えた次男。
地元を逃げ出した妹。

けれど、本当に悪いのは自分自身。
確かに辛くて大変だった事件ではあったが、
そこから抜け出せるか、後を引き続けるのかは、
自分自身にかかっていたのだろう。

最後に三兄弟の前に姿を現した、鹿。
事件の発端であるはずなのに、
われ関せずと悠然と立っている。
そう、鹿は何も悪くないのだ。

街を後にする長男。
病院に行く次男。
離婚を決めた妹。
それぞれの旅立ちに、
不思議な清々しさを感じた映画。



幼き日にリョウモウシカを目撃した兄弟。
しかし、その日を境に人生を大きく変わることになった三人。
村に対する引け目。村に縛られ、
村から出ていこうとはしない長男、冨士夫。

村を騒がせてしまった罪の意識からか、
精神的に安定しない次男、義夫。

変ってしまった兄たちを嫌うかの如く、
駆け落ちで地元を出て行った妹、顕子。

父親の危篤に久しぶりに兄弟がそろう。


なぜ、父親の工場を手放さないのか。
父親の入院費、工場は経営困難で知人にも騙された。
手放すのが得策なのに長男は手放さない。
村に縛られ、村の人々の言うことを聞かなければ、、、
過去に迷惑を掛けたので、さらに迷惑は掛けられない。
それは長男の意地もあるのかもしれない。
そのために手放したくても手放せないのだろう。


総てはシカが悪いんだ。
精神の安定を保つために、シカのせいにして、
自らを納得させてきた次男。
友人の大切な犬を事故で殺してしまい、
それを素直に告白できないでいる。
他人に罪を被せ、言い訳をして、
自分の精神を安定させている。
けれど、そのままでは今の苦しみからは、
永久に抜け出せない。


昔はモテていた妹。
友人の旦那と不倫して、友人に罵倒される。
付きまとっていた夫も離婚を受け入れる。
昔は良かった。
そう思っても、もはや手遅れ。
街を出て、総てを捨てて、しかし、
街に帰ってきたら、
総てを捨てることになってしまった。


お前たちの尻ぬぐいは、もう沢山だ。
過去の罪の意識と決別し、
騙した知人にも復讐を決行し、
そして、街を出ていく長男。


病院に行くことを決めた次男。
病院に行くことを決めたということは、
自分の状態を受け入れたということなのだろう。
そして、自分の力で立ち直ることを決めたのだろう。


離れていく夫を追いかけることもできたかもしれない。
未練があったように見えたが、
しかし、追いかけない妹。
今、追いかけて元のさやに戻っても、
同じことを繰り返すかもしれない。
だから一人になることを決めたのだろう。


最後に三兄弟の前に姿を現した、鹿。
事件の発端であるはずなのに、
われ関せずと悠然と立っている。
そう、鹿は何も悪くないのだ。
そして、三兄弟も悪くはない。
被害者と言っても良いかもしれない。
踊らされて夢を見た村の人。
彼らにシカも兄弟も責める資格はない。

やっとの思いで過去を受け入れ、
街を後にする長男。
病院に行く次男。
離婚を決めた妹。
それぞれの旅立ちに、
不思議な清々しさを感じた映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1532 / タイトル た行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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