声をかくす人  
2017.11.02.Thu / 21:25 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






治安を安定させるため、
見せしめに処刑されようとしている女性。
しかし、どんな酷い罪を犯した人間でも、
公平な裁判を受ける権利を持っている。
そして、法に照らし合わせて、
刑は決められなければならない。
憎しみに駆られて人を裁いてはいけないし、
統治者の方針によって、
刑は決められてはいけない。
それは、どのような非常な状況においてさえも。


国を守ろうとして人権を犯し、
国の礎を危うくさせる。
しかし、これは他人事ではない。

けれど、それに抵抗した男。
憎しみに心を捕らわれず、
理想を目指した男の心意気に、
感嘆させられた映画。
南北戦争が終結したばかりのアメリカ。
やっと平和が到来したはずだった。
しかし、起こってしまった惨劇。
渦巻いたであろう不安と恐れ、そして、憎しみと怒り。
国民の心情を安定させるためには、
至急、犯人を処罰し、
これ以上の争いは決して起こらないことを、
国民に知らしめなければならない。
そして、生贄に捧げられてしまったメアリー・サラット。
そのメアリーを弁護することになったエイキン。


エイキンは元北軍の軍人。
だから暗殺は許せない。そして犯人は憎い。
けれど、疑わしきは罰せず。
メアリーが本当に共謀者かどうかは分からない。
けれど、確たる証拠が無ければ人を裁いてはいけないのだ。
その信念の元に、メアリーを弁護するエイキン。
しかし、立ちはだかる様々な障害。

発言が許されないメアリー。
だから貴重な事実も裁判に取り上げる事ができない。
最初は誘拐するだけだった。
それが本当に事実だったのかどうかは、
決して審議されることはない。

公判に呼ばれる証言者たち。
けれど、誰もがメアリーに不利な発言をする。
それは、メアリーが憎まれているから。
それとも、政府からの圧力の為なのか。

そして、息子を庇う為に真実を語らないメアリーと
メアリーの娘であるアンナ。

これでは、まともな裁判には成らない。
しかし、懸命にメアリーを弁護するエイキン。
けれど結末は、すでに政府によって定められている。
その結末を変えるには別な生贄が必要だ。
それは息子であるジョン。
つまり妥当な生贄が捧げられれば、誰でも良いのだ。

必死の抵抗を試みるも最後には大統領の命令が下ってしまい、
メアリーの死刑が執行されてしまう。
それは、非常時だからといって、許されることではないはずだった。

司法に限界を感じたのであろう。
その身をジャーナリストに転じるエイキン。
それはきっと、人権を守る為なのだろう。

憎しみに心を捕らわれず、
理想を目指した男の心意気に、
感嘆させられた映画。

* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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