海のふた  
2017.11.09.Thu / 20:50 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






自分の一番好きなことで生きていく。
それは、とても難しい生き方。
なぜなら、様々なことが邪魔をするから。

過疎と借金。
親しい人との死別。
遠くに行ってしまった彼氏。

自分の一番好きなことで生きていく。
もしかしたら、そんな生き方は、
とても独りよがりな生き方なのかもしれない。
そして、そんな生き方は、
とても勇気がいる生き方なのだろう。


大切なものを共有しているはずだった三人。
しかし、最後には離れ離れになる。
想いだけでは届かない世界があることを知った女性。
それでも自分の生き方を貫く覚悟を決める。

砂のように、手のひらから、指の間を、
大切なものが、サラサラと、こぼれ落ちてゆく。
けれど、手のひらに最後に残った大切なもの。
それが、とても愛おしい。
そんな感慨を感じた映画。





田舎に戻り、自分の一番好きな事で生きていく。
そんな生き方を決めた、まり。
意志がとても強そうな女性。
寂れてしまった故郷。
幼馴染のオサムに、
ことさら、昔はよかった、
愛のないお金の使い方をしたからだ、
と文句紛いのことを溢すのは、
オサムに自分の生き方を理解して欲しいからだろう。
お金よりも大切なものの為に生きる。
そんな生き方を理解し共感して欲しかったからなのだろう。


顔に火傷の痕が残る、はじめちゃん。
感受性が強くて、
様々な可能性を秘めたように感じる女の子。


はじめちゃんが歌った歌、海のふた。
海のふたとは、
自然に対する感謝の気持ち。
楽しんだ海水浴が終わったならば、
自然に対しての感謝の気持ちを込めて、ふたをする。
それは自然を愛し、共に生きようとする姿勢なのだろう。

一見全く違うように見える、はじめちゃんとまり。
けれど本当は似た者同士なのかもしれない。



自分の一番好きなことで生きていく。
それは、とても難しい生き方。
本当は、オサムにも、そんな生き方をして欲しかった。
そして、オサムも実は心の底では望んでいたのだろう。
けれど、オサムには、できないのだ。
多分、まりにも、オサムの心情は理解できるのだろう。
けれど、悔しい、だから諦めてほしくない。
それは、とても切ないシーン。


海にありがとうを言えた、はじめちゃん。
自分は自然に生かされていることを実感できた。
だから、もう大丈夫。
アフリカに行くことを決める。
今までは、ためらいがあった。けれど、
自分が可哀そうな子供だから付き合ってくれたのか。
彼氏に、それを聞きに行くためだろう。
そして、その答えがどうであっても、
彼氏にお礼を言うのだろう。
そして、自分の夢を語り、
自分はもう、可哀そうな女の子ではないことを告げにいくのだろう。


自分が好きなものしか売らないはずだった。
けれど、いちごのかき氷も売り始めた、まり。
妥協した、というよりも、
視野を広げて、好きなものを増やそうと考えた結果のように感じられた。
それは、オサムとはじめちゃんに、教えてもらったことなのだろう。


大切なものを共有しているはずだった三人。
しかし、最後には離れ離れになる。
想いだけでは届かない世界があることを知った、まり。
それでも自分の生き方を貫く覚悟を決める。
そんな生き方が愛おしく感じられた映画。



* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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