バティニョールおじさん  
2004.04.09.Fri / 16:33 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

楽しいコメディと思いきや、とても重い映画でした。
しかし、重いだけの映画かというとそうではありません。
冒頭の音楽の軽快さを失うことなく、しかし重い映画でした。

人生を導くものは何でしょうか?
知識や知恵でしょうか? 倫理観や道徳感、宗教の教えでしょうか?
確かにそれらもあるのかもしれません。
しかし、この映画では無知なる者が子供達に導かれ、
やがてはヒーローになる姿が描かれているように感じました。

バティニョールという男は、全くもってごく普通の小市民。
ナチのことも、
自分が意図しないとはいえ、警察に売ってしまったユダヤ一家の行く末をも、
知りませんでした。
知ることができないのか、関心がないのか、、
「帰ってきたら、ハムの代金を請求しよう。」
ユダヤ一家の行く末を知っている私たちにとって、
最初のバティニョールおじさんには、
とてもお気楽な認識しかありませんでした。
娘婿は、目の前にあるものは何でも利用してやろうという、
とんでもない野心家です。
彼はナチが何をやっているのかをよく知っているはずです。
知っていて利用しようとしているのです。
利用した結果、大きな部屋にすむことができるようになります。
しかし、最後は悲惨な末路を歩みました。
知識や知恵は、彼の助けにはなりませんでした。

バティニョールおじさんは、一家を図らずも警察に密告した後ろめたさからか、
ナチから逃げ延びた子供を匿うものの、
「面倒を抱え込んでしまった。」という思いが心を支配します。
しかし、ナチと付き合っていくうちに、彼らの怖さを知ります。
「このままでは、自分は破滅だ。」
しかし、もう引き返せません。そして、見つかれば子供達も同様に破滅です。
最初は必要に迫られての逃避行、しかし、それが徐々に変わっていきます。
最後には、理由なく迫害された者たちの代弁をするようにまで、変わりました。

シモンへの別れ際の台詞がとてもよかったです。
「私こそありがとう。」

ただの無知なる小市民であった自分が、
目の前にあるものを、自然に受け入れ、
それによって自分を変えることができた。
バティニュールおじさんの心からのお礼だったと思いました。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.162 / タイトル は行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.