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  愛の小さな歴史  
2019.12.26.Thu / 21:10 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






突然失ってしまった人。
壊れてしまった家族。

あきらめれば、それで終わり。
捨て去ってしまえば、それで終わり。
しかし、人には力がある。
愛を強く求める力が。

絶望に突き落とされた人々。
しかし、求め続ける。
そんな人の力に魅了される映画。


本作品には、通常版とディレクターズカット版があるそうだ。
DVDには、本編未収録映像があったが、
恐らくは、それがディレクターズカット版だと思う。
本編では、喪失を乗り越えようとする人の力が、
ディレクターズカット版では、
失ってしまった家族の絆を取り戻そうとする人の力が、
印象に残った。
そのどちらもが、絶望から立ち直ろうとする人の力。
そんな人の力に魅了される映画。
親友を失って哀しみの中に居る夏実。
それは、自分を救おうとして差し伸べられた手も、
拒絶してしまうほどの絶望感。
しかし、母からメッセージが送られる。


父に捨てられ、父を憎んでいる夏希。
流産をして家族を失ったのだろう。
復讐の為に父と同居する、というのは、本音であろうが、
失った家族ゆえに、父親を捨て切れないでもいるのだろう。
そして、父が、どんな気持ちで自分を生んだのかを知りたかったのだろう。
憎むよりも許した方が気が楽になる。
その言葉が身に染みる。


一度は捨てた妹を救いたい。
執拗な取り立ての末に自殺した男、そして残された男の妹。
ふと我に返り妹を救いたいと考えたのだろう。
しかし、一度捨てたものを取り戻すのは容易ではない。
けれど、諦めない夏生。
プライドも捨て、外聞も捨て、妹の為に尽くす。


かつて、皆は家族であった。
しかし、今は壊れてしまい、見る影もない。
けれど、捨てさることができない。
文句を言われ、文句を言い、
過去の思い出をなぞり、同じ失敗をし、
しかし、懸命に絆を取り戻そうとする。
それは、この世界に遺された唯一の肉親だから。

懸命に取り戻そうとした。
しかし、失われてしまった命。
この先、一人では生きられない。
途方に暮れた、同じ痛みを持つ魂。
しかし導かれるように巡り合う。

最初はぎこちなく、しかし、
次第に魅かれあう二人。
同じ哀しみを持つ者同士として。


二人で家族になる。
新しい仕事に懸命に打ち込む夏生。
新しい住処を決める夏希。
貧しくても二人で過ごせる歓び、幸せ。
時に上手くいかないこともある。
新しく出来た命にとまどう。
不安になる。喧嘩をしてしまう。
けれど掛けがえの無い存在となった相手が、
目の前にいる。
だからやり直せる。素直になれる。
真っすぐに相手に向き会える。
しかし、、、


夏実に母親の強い生き方は伝わったのだろう。
その原動力が何であるのかも。
川を渡る。夏実の新しい人生が開ける。
失った相手は取り戻せない。
けれど違う相手とやり直せる。
それは、とても喜ばしいことなのだろう。

絶望に突き落とされた人々。
しかし、求め続ける。
そんな人の力に魅了される映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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