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  ブルーアワーにぶっ飛ばす  
2020.01.23.Thu / 18:55 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






本当は好きだった。
甘えたかった、優しくして欲しかった。
けれど、そんな自分を認めたくはなかった。
認めてしまえば生きていけなかった。
だから突っ走ってきた。
そして、心のバランスを取るために、
親友が必要だった。

状況が良くなったわけではない。
これからも走り続けるしかない。
けれど、親友は、もういらない。
それは、自分が好きなものを、
好きと認めることができたから。


親友からの卒業。
会えなくなっても、
親友は、その卒業を喜んでくれるだろう。


別れの寂しさと居場所を見つけた安堵感。
彼女の最後の笑顔が輝いて見えた。
そんな彼女と、どこまでも、
ぶっ飛ばしたくなった映画。





30歳でCMディレクターをしている夕佳。
泳ぎ続けなければ溺れ死ぬ。
働き続けなければ死んでしまう。
故郷を否定し、夫とは疎遠、子供も持たない。
それらに心を許せば自分の心が折れて止まってしまう。
総ては働き続ける為。
産休から戻ってきた同僚の作品には失望した。
止まれば総てが失われるのだ。
それは強迫観念に近い思いなのだろう。
しかし、その思いには無理がある。
だから不倫に走る。深夜まで酒を飲む。
夕佳の秘密の親友、あさ美。
天真爛漫で、なんにでも柔軟に対応する。
自分の気持ちを偽らず、好きな事を追い求める。
それは、愛想笑いばかりしている夕佳が、
本当は、そう振る舞いたいと願っている姿なのだろう。


夕佳の故郷に帰ることになった二人。
夕食をコンビニおにぎりで済ます母親。
骨董に大金を使う父親。
引きこもっている兄。
すぐにでも東京に戻りたい。
こんな人たちとは一緒に居たくはない。
しかし、間を取り持つかのように振る舞う、あさ美。
きっと、あさ美が居なければ、
直ぐにでも夕佳は実家を飛び出していたであろう。
本心では、それを望んではいないのであろうが、、

朝食を実家で食べる。
それは夕佳が望んでいたこと。
そして、あさ美が居なければできなかった事。

祖母のお見舞いをする。
祖母の前では自然に振る舞うことができた夕佳。
あさ美も必要なかった。

帰り際に自分を見送ってくれた母親。
ドン引きすることも沢山あった。
けれど母親が恋しい。寂しい。
自分の事は無関心だと思っていた夫が、
自分の事を判ってくれていた。
こちらから会話をすれば、それに応えてくれる。
それが、とても心地よい。


走り続ける為に、総てを拒絶してきた夕佳。
でも、それは自身の本心ではないことに気付く。
というよりも、もっと前から分かっていた。
けれど、それに気付きたくはなかった。
だから、実家や夫と距離を置いていた。
距離を置かなければ心が折れてしまうと思っていたから。
でも、それは違っていたのだろう。

厳しい社会を、これからも走り続けなければならない。
けれど、好きなものを受け入れれば、
それが走る力になるだろう。


あさ美からの卒業の時が来た。
会えなくなっても、きっと、
あさ美は、その卒業を喜んでくれるだろう。

別れの寂しさと居場所を見つけた安堵感。
夕佳の最後の笑顔が輝いて見えた。
そんな夕佳と、どこまでも、
ぶっ飛ばしたくなった映画。
* テーマ:最近観た映画 - ジャンル:映画 *
No.1758 / タイトル は行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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