FC2ブログ
  転校生 -さよなら あなた-  
2020.04.23.Thu / 17:28 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






大林宣彦監督のセルフリメイク作品。

心が入れ替わってしまった少年と少女。
そんな状況に戸惑いながらも、
次第に絆を深めてゆく二人。
絆というよりも、もはや一心同体。
しかし、訪れてしまう別れ。
それでも、お互いが、
お互いの中で生きているのだろう。

外見に惑わされることなく相手を見つけること。
大切な人の存在を心で感じること。
そして、自分の生を自分自身でまっとうすること。


人は不完全な生き物として生まれる。
そして、大切な人を見つけることで、自身を完成させる。
しかし、そんな存在とも、いつかは別れなければならない。
独りで生きなければならない。
それは、自分として生きる為に。
それでも、そんな人の存在は心の中に居続けるのだろう。

厳しくも寂しい、
優しくて暖かい映画。


舞台は現代だそうだが、
様々に散りばめられた古風さ。
古風さというよりも、大林監督の世界なのだろう。
そんな大林ワールドも堪能できる映画。
幼馴染であった一夫と一美。
久しぶりに再会したものの、
心が入れ替わってしまった二人。

あけっぴろげだった一美の性格が、
一夫になった途端、ナヨナヨするのに、
違和感を感じたものの、
性の違いに戸惑う二人が可笑しい。
運命共同体となった二人。
しかし、一美の体に訪れてしまう悲劇。

一夫が一美であることを見抜いた、一美の彼氏、弘。
事情を知っていたとはいえ、
二人の入れ替わりを実感した、一夫の彼女、アケミ。
一美のお見舞いに訪れた一夫の母親も、
一美の中にいる一夫を感じたのだろう。
それは人が持つ感性という力のなせる業なのだろう。

心は一美で体は一夫という不完全な存在を好きだと言ってくれる弘。
しかし、それは違うと感じる一美。
弘は理想の自分を演じているに過ぎない。
心と体が揃ってこそ、好きと言って欲しかった、と感じたのだろう。


病院を抜け出し二人であてどもない旅を続ける。
限られた時間の中で、強く相手と自分自身を意識する。

ピアノが弾けないはずの一美。
しかし、心が戻った後でさえ、指が覚えていた。
一美の声でなければ歌えない一夫。
恋愛感情というよりも、
自分の中に生きている相手を感じることができる。
それが自身の人生を前に進める力になるのだろう。

死を前にして、それを恐れない一美。
なぜなら自分自身として生を全うできるのだから。
そして、自分の中には一夫が生きているのだから。

母親の元を旅立つ一夫。
一美と一美の中の自分に、別れを告げて。


人は不完全な生き物として生まれる。
そして、大切な人を見つけることで、自身を完成させる。
しかし、そんな存在とも、いつかは別れなければならない。
独りで生きなければならない。
それは、自分として生きる為に。
それでも、そんな人の存在は心の中に居続けるのだろう。

厳しくも寂しい、
優しくて暖かい映画。
* テーマ:最近観た映画 - ジャンル:映画 *
No.1783 / タイトル た行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.