シックスセンス  
2002.09.05.Thu / 16:42 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。


普通の人にない能力「シックスセンス」が、最後には癒しの能力として開花していく話。

死んでしまった人間には、当然いろんな思い、遣り残し、があるのでしょう。
「シックスセンス」は、それを昇華させることができる不思議な、そして素敵な力。
最初のコール少年はそのようなことを考えもしなかったのでしょう。
自分を化け者と思いこんでいました。
力を隠し、自らを卑下していたコール少年は、母親の愛情に答えることができず、 結果として家庭が崩壊しかかっていました。さらには友人もできませんでした。

しかし、「力の使い方」を知ったコール少年は、とたんに生き生きしてきます。
自己否定をやめ、母親とも正直に向き合い、 結果として、級友とも楽しく劇に興じることができるようになりました。

アーサー王の剣を抜いたシーンは象徴的でした。それは、大いなる目覚めを暗示していたのだと思います。
「与えられた力を正しく使う」ということと、「それによる自己肯定」が、この映画における、 ひとつの大きなポイントになると思いました。
また、この映画には、「問題を抱えた家庭関係」がたくさん出てきます。コール少年と母親、その母親と祖母、 マルコムとその妻、洗剤を飲まされて死んでしまった女の子、夫に虐待されたのであろう母親や息子の幽霊、 霊の世界なのではありますが、それは、現実がもたらしたもの。
当然ですが現実と霊の世界はつながっているのです。

その中で「シックスセンス」の果たす役割は、単に「思いを伝える」もしくは「伝えることの手助け」に過ぎません。
しかし、それにより、伝えた側、伝わった側が、時には救われました。思えば、現代において、「思いを伝える」ことは、 大変難しくなってきています。これもこの映画の大きなポイントだと思いました。

一方のマルコムですが、コール少年を救っているつもりが、逆に救われていたことになります。
直接的には、自分が昔助けられなかった青年の代わりにコール少年を助けることで、自分が救われている わけですが、もう一方で、コール少年に、「霊の言うことを聞いてあげなさい。」とアドバイスし、 コール少年を助けたことは、妻との関係における自分をも、助けていたことになります。

「人を助けることが自らをも助ける」「助けは連鎖する。」というのもこの映画の大きなポイントだと思います。

コール少年の最初の姿は、「大人の理想を演じようとする子供」でした。級友とも仲良くし登校し、 問題もない普通の少年を演じていました。また、洗剤を飲まされて死んでしまった子供も、生前には、 そのことを知っていたはずなのに、大人に言いませんでした。ここからは推測なのですが、この子供も 「大人の理想を演じようとする子供」だったのではないのでしょうか。しかし、自分はともかく、 妹を守りたいがために、自らが死んだ後、つまり演じる必要がなくなった後に告白した、、、
そうは考えられないでしょうか?

最後に、この映画を見る前に、私はこの映画の秘密を知ってしまいました。
それは「心無い方の書きこみ」によるものであり、私にとっては避けようがありませんでした。
ですから、私にとっては、このすばらしい作品を十分楽しむことはできませんでした。
というのも、マルコムの苦悩は、彼が幽霊であるからが原因ということがわかってしまっているからです。
(幽霊であるから、コミュニケーションが取れないというのが真の原因。)
この世に未練はあるのでしょうが、私にはそれ以上には思えませんでした。
これが、彼が生きていると思えば、彼の苦悩に対する考え、感想も違っていたと思います。
マルコムにとっては、自分の正体を知ることが妻の気持ちを理解するということであり、 知らないで見た場合、観客はマルコムと同じ体験ができるからです。そういう意味ではとても残念でした。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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