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  セブン・シスターズ  
2021.10.14.Thu / 18:05 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






この映画を未見の人は、映画を見てから下記を読んでください。
ネタバレ満載なので。
お願いします。


全体を守るべきか?
個人を選択すべきか?
究極の選択を迫られた女性たち。

全体を選んだとしても、
そこに愛情があれば良いのかもしれない。
一方的な犠牲を強いるのでは、
選ぶべきではないのだろう。

そして、そこに愛情があれば、
個人を選択しても理解はされる。
許してもくれるだろう。
しかし、冷たいだけの理論では、
誰もが許さない。


究極の選択を迫られた女性たち。
その末路の対比が心に残る映画。

一人七役のノオミ・ラパスさん。
外見を変えて雰囲気にも助けられてはいるが、
しかし、見事に演じ分けている。
ノオミ・ラパスさんの見事な演じ分けも素晴らしい映画。



人口増加により食糧難となった近未来。
食料増産の為の作物品種改良が、
人体に影響を及ぼし、多生児出産が多発し、
再び危機を迎える人類。
解決方法として、人類は「児童分配法」を施行させた。
それは、二人目以降の子供は冷凍保存させるというもの。
七っ子として生まれてしまったカレン・セットマン。
それを隠すために七人で一人の人生を生きている女性たち。
それぞれに曜日の名称を名前に与えられ、
その曜日だけは外出ができる。
しかし、自由は、ほとんどない。
七人の事を考えて行動をしなければならない。
プライベートも、未来も存在しない。
とても窮屈な生き方をしなければならない。
しかし、七人姉妹たちはお互いを強く愛している。
だからこそ、このような生き方にも耐えることができたのだろう。


遂に児童分配局に事がバレて、
一人、また一人死んでゆく彼女たち。
このような映画では皆が生き残れると予想していたが、
これは思わぬ展開。
緊迫感が否応なく盛り上がる。


姉妹たちの情報を売ったのは、長女であるマンデー。
最後に対峙するマンデーとサースデー。

今までは姉妹たちの模範として生きてきた。
しかし、最後にマンデーが選んだのは姉妹たちとの人生ではなく、
愛する男と生きる人生。
そして、身籠った子供たちと生きる人生。

サースデーには悔やみきれない過去があった。
一人で勝ってに飛び出して、指を失い、
残りの六人の指も奪ってしまった。
出来る事ならやり直したい。しかし、それは不可能。
そんな経験と後悔、謝罪の想いを持っているからこそ、
マンデーの気持ちも理解できたのだろう。
そして、その遺志を継ぐことも。


児童分配法を施行したニコレット・ケイマン。
しかし、冷凍保存というのは偽り。
子供たちは皆、焼却させられていた。

幼い姉妹たちの指を祖父が切ろうとした時に、
痛い、と聞かれ正直に、痛いと答えた祖父。
子供を冷凍保存する時に、
痛い、と聞かれ、痛くはない、と嘘をついた局員。
正直さと誠実さは相手に愛情を持っているからこそなのだろう。

最期には真相が露見した。
それを皆が拒否をする。
人類を救ったのは、確かに、児童分配法であり、ケイマンだろう。
しかし、冷たい理論だけでは受け入れられない。


全体を守るべきか?
個人を選択すべきか?
究極の選択を迫られたマンデーとケイマン。
しかし、愛情が、その末路を分ける。
その末路の対比が心に残る映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.1929 / タイトル さ行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
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