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  華麗なるギャツビー  
2023.05.25.Thu / 11:56 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






いかに熱望しようとも。
莫大な財力を投じようとも。
過去をやり直すことはできない。

一人の女性を心から愛した男。
その女性を手に入れるためだけに、
財を成し、環境を整え、
偶然の出会いを演出した。
それでも、手に入れることはできなかった。
そして世間からは本物とは認められなかった。
けれど、女性を愛した男の純粋さは、
本物なのだろう。

叶えられなかった男の願い。
そこに哀れさを感じさせる映画。

そして、バス・ラーマンらしい、
派手な映像と音楽が堪能できる映画。



好景気に沸く1920年代のニューヨーク。
成功を手に入れるため上京したニック。
ニックの従妹であるトムと、その妻であるデイジー。
そして、ニックの隣人、謎の男、ギャツビー。
人妻であるはずのデイジーを諦めきれないギャツビー。
自身の才覚で今の財を成すことができた。
だから、デイジーも手に入れることができるはずだ。
どんな夢や希望でも、自分にはそれらを叶える力が備わっている。
そう、強く確信しているギャツビー。

目と鼻の先に居るデイジー。
しかし、自分からは行動を起こせない。
毎晩、豪勢なパーティーを開いてもデイジーは来てくれない。
その奥ゆかしさは純情の裏返し。
そして、ニックに偶然の出会いを演出するように頼むギャツビー。

自身の出生を、偽っていたギャツビー。
本当は極貧の農家の生まれであること。
社交術は偶然助けた富豪に教えてもらったこと。
今の財産も怪しい裏稼業で稼いでいること。
オックスフォードには五か月しか通っていなかったこと。

過去はやり直せると強く確信しているギャツビー。
しかし、どんなに強く願っても、
どんなに財を投じようとも、
過去は変えられない。

トムの目の前で、
デイジーにトムを愛してはいないことを告げさせようとするギャツビー。
しかし、様々なトムとの思い出。
それらを無くすことはできない。
逆にトムになじられ激昂してしまったギャツビー。
彼の生い立ちも変えられない。


デイジーを庇い、その罪を引き受けた形で死んでしまったギャツビー。
葬儀に参加したのはレポーター以外ではニックだけ。
豪華なパーティーに参加していた者たちも関りを避けた。
デイジーですら来てはくれなかった。

自身の願いを諦めず、
人生の全てを投じたギャツビー。
しかし、その最後は、とても哀れ。
手に入れることはできなかったデイジー。
世間からは本物とは認められなかった。
けれど、デイジーを愛したギャツビーの純粋さは本物なのだろう。

叶えられなかったギャツビーの願い。
そこに哀れさを感じさせる映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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