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  PERFECT DAYS  
2024.02.22.Thu / 12:41 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






毎日を完璧にこなす男。
しかし、それは単に毎日同じことを繰り返していては得られない日々。
与えられた仕事には最善を尽くす。
自身が心から愛する趣味を持つ。
他人を受け入れるが受け入れ過ぎない。
そして、争わない。無理強いもしない。
しかし、寄り添う気持ちは忘れない。
些細な出来事でも興味を持つ。
そこから新しい発見をする。

恐らくは長い時を経て完璧となった男の日常。
その日常に魅了される映画。



東京で公衆トイレ掃除の仕事をこなす平山。
規則正しく起床し、毎日の日課を実直にこなす男。
平山の清掃作業には惚れ惚れさせられた。
細かな点まで清掃を実施し、
利用者には影に徹し、
便器の裏まで確認を怠らず、
自身で掃除道具までも作成する。
まさに職人の技である。
課せられた仕事に妥協しないからこそ、
平山の生活は輝いているように感じられた。

平山の同僚である若者、タカシ。
仕事は手抜きでいい加減。
けれど平山は何も言わない。
人には人それぞれの世界がある。
それが僅かに交わる時もあるかもしれないが、
ほとんどは交わらない。
だから説教しても理解はできない。

それでも彼女がタカシを訪れれば、
やればできるじゃん、と激励する。
タカシが困っていれば、
渋々手を貸す。援助する。

それでも二人の世界は交わらない。


突然、姪が訪ねてきた。
追い払わない、訳も深くは詮索しない。
自分の仕事に言い訳もしない。
同じように日常を過ごす。

昼食時、隣に座った女性に笑顔で会釈する。
怪訝な顔をされても、気にしない。

いつも見かけたホームレスの老人が居なくなった。
気にはなるが、探さない。
しかし、交差点で老人を見かけた時には安堵する。

日曜だけ通う居酒屋の女将。
平山にとっては気になる存在。
しかし、別な男と抱き合う姿を見てしまう。

一人やけ酒を煽っていると男が現れる。
余命幾ばくもない元夫。
謝りたかった、お礼を言いたかった、ただ会っておきたかった。
その全てが男の想いなのだろう。

影は重なると濃くなる。
唐突に出された疑問に懸命に応えようとする平山。
この疑問の真の意味は明確には語られない。
けれど、二人の男性に愛された女将は幸せなのではないか、
ということのように感じた。
だからこそ、平山は力説したのだろう。
愛が重なれば幸せの量が重ならない時と同じであるはずがない、と。
そして男が欲した答えでもあったのだろう。
今の女将は幸せなのだ。


恐らくは長い時を経て、喜怒哀楽を繰り返し、
完璧となった平山の日常。
ラストの平山の表情に、それが映し出されているように見えた。
完璧となった平山の日常に魅了された映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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