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  ほかげ  
2024.03.14.Thu / 17:47 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。






怖い人になれなかった者は戦場で死に、
怖い人になれた者は戦後に苦しむ。
いずれにしても地獄。
ただ、自分を誤魔化す言い訳に長けた者たちだけが、
怖い人にはならず安穏と暮らすことができる。

戦場ではない場所で、
戦争の悲惨さを垣間見た少年。
純粋さを失わず、
しかし、人を撃つことも厭わない。
これから、あの少年は、
どのように生きてゆくのだろうか?

戦争は起こってはならない。
起こしてもいけない。
その意を強くした映画。




戦後、焼け残った居酒屋で暮らす、女。
女一人で生きるには厳しい現実。
体を売る以外に生きるすべはない。
居酒屋に現れた少年と復員兵。
ささやかながらも皆が助け合い、
家族のように暮らし始める。
戦争から戻ってきて、やっとゆっくり寝れたと、
女に感謝する復員兵。
皆が求めたものが、そこにあった結果なのだろう。

しかし、そのような平穏な生活は長くは続かない。
戦場での後遺症に苦しむ復員兵。
それ以上に、もう、昔の生活は取り戻せない。
教師としての希望も、
共に暮らした家族も、
失われて二度とは返らない。
だから、このような平穏な生活は続かない。


復員兵を追い出し、女と少年の生活が始まる。
女が少年に求めた者は、
戦場で死んでしまった夫、そして、
戦災で亡くなってしまった子供。
だから失うのが怖い。
もう二度と失いたくはない。
だから過剰に反対する。
危険な仕事はするな、まともな仕事に就け、と。
しかし、梅毒を患ってしまった女。


少年が巡り合ったテキ屋の男。
悪い男ではなさそうだか、
何処に向かっているのか明かしてはくれない。
少年が持つ拳銃の使い道も教えてはくれない。

魚を取り、野宿をし、
目的地を目指す少年とテキ屋の男。
それは傍から見れば親子か兄弟のように見える。
しかし夜には、共にうなされる二人。


テキ屋の男の目的は昔の上官への復讐。
戦友たちを狂わせ、殺させ、
しかし、自分は安穏と今を生きている。
それが許せなかったというのも理由なのだろう。
しかし、自分の戦争を終わらせたかった。
だから、上官は殺さない。
上官を苦しめ、戦友たちに詫びたかった。
そうしなければ、
彼の戦争は終わらなかったのだろう。

最後の一発を少年に託すテキ屋の男。
上官を撃とうとする少年。
しかし、テキ屋の男は、それを止める。

少年は理解していたのだろう。
上官は死ななければならなかった男であると。
テキ屋の男は少年に願ったのだろう。
許せない別な奴が現れたら、それを使えと。


女のもとに戻ってきた少年。
短い時間だったけど昔が戻った気がした。
だけど、もう一緒には居られない。
だから真面目に働いて立派に生きて欲しい。

うどん屋の店主に何度も投げ飛ばされる。
しかし、諦めない。
真面目に働くと約束したから。


最後に響く銃声。
きっと、女が自殺したのだろう。
失ってしまった者は取り戻せない。
そして、もう二度と手に入れることもできない。
生きるためには体を売るしかなかった。
そして、もう二度と手に入れることはできない体になってしまった。

戦争は起こってはならない。
起こしてもいけない。
その意を強くした映画。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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