シービスケット  
2005.01.05.Wed / 20:53 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

挫折から立ち直り、栄光を掴む、そんなアメリカンドリームを描いた映画ですが、
それと同時に、私にはとてもやさしい映画に感じました。
自身の孤独や喪失といったものが、相手に対する思いやりに代わってゆく、、
それが、とてもやさしい映画に感じさせる理由であると思いました。

事故で妻子をうしなったハワード。
大恐慌で家族を失ったポラード。
時代の流れにより、安住の地を追われ、職を失ったスミス。

「少しのケガで、命あるものを殺すことは無い。」
ハワードとスミスにとっては、この言葉だけで十分だったのでしょう。
この言葉により、お互いの悲しみの深さを知り、
しかし、ハワードにとっては、未来を生きる力を与えられます。
「なぜ、そんなに怒る。」
何かにいらついているポラードに対して、あくまで優しいハワード。
差し出したのは20ドルと次のレースへのチャンス。
その優しさが、ポラードの心のとげを取り去り、
シービスケットへの愛情に変わってゆきます。

「どういう馬なんだ、完ぺきで欠点がない馬なんて」
なぜ、彼らがお互いに優しく、しかも、優しさを受け入れることが出来るのか?
それは、過去に経験した孤独や悲しみが深いからであり、
そこから、さまざまなことを学んだからでしょう。
未来を掴む力は、まさにそこにこそあるのでしょう。
挫折を知らない完ぺきな馬が、本当に強いのか?
彼らのウォーアドミラルへの挑戦が始まります。

「真の発明は車ではなく、"流れ作業"の工程だった」
映画の冒頭、流れ作業という合理化で、
職人がただの工員に成り下がる逸話が描かれます。
本当に、そこに未来を勝ち取る力があるのだろうか?
人を切り捨てて、誇りを奪うやり方に、、、
ウォーアドミラルへの挑戦は、
東部への合理主義への挑戦なのでしょう。

「長い不況を追い払ったのは、公共事業の力ではなく、目に見えない力」
優しい言葉をかけたり、相手を理解すれば、人は再生するというわけではありません。
再生の力は、自らの中に内包されているのです。
自然の中を走ることで、再生していったシービスケット。
靭帯を損傷しても、まだ、再生の力は残されていました。
そして、それはポラードも同様に。
だからこそ、簡単に切り捨ててはいけないのです。

やさしく、しかし力強い映画でした。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.245 / タイトル さ行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from YAN -

こんにちは!
そう言えば、画面が明るくなって、目に優しくなりました(^^)

やっぱりヤンさんは、この作品にも人間ドラマを見たんですね。
それぞれの過去・背景にまで目を向けた感想になってます。

この奇跡的な再生が、作ったドラマじゃなくて、
実話だというのが、驚きですよね。
三人と馬の出会いが、見事にマッチして、
再生の力が生まれたんでしょうね。

2008.05.20.Tue / 12:39 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

YANさん、こんばんわ。

毎度、遅レスですいません。
この話が実話だと今知りました。(^.^;)
三人と馬との出会い。そして、それぞれが抱えてきた過去、だからこそ相手に対して示すことができる思いやり。そして自らが持つ可能性。そんなものが重なって再生への力になってゆくんですね。やさしくて力強い映画でした。

それじゃ、また。

2008.05.22.Thu / 20:16 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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