PingPong  
2002.10.02.Wed / 20:02 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

強いこと。強くなること。

この映画には、強くなるための要素が、それぞれの登場人物に代表されて表現されています。
「情熱」「才能」「プライド」「求道」「努力」
それぞれの人物の個性といっても構わないかもしれません。
しかし、それぞれに共通していることは、
本当に少年のような純粋さで卓球のことしか考えていない、いわゆる卓球バカ
(表現が悪くてすいません。)という点にあると思います。
そして、それぞれがそれぞれの個性で、純粋に「強くなりたい」という思いでぶつかりあいます。

しかし、この作品においては、「なにが本当に強いのか。」が描かれているわけではありません。
それぞれには、それぞれの正しさがあり、負けることが終わりではないからです。
この映画では、負けた者も勝ったものを等しく救われます。
卓球を止めて新しい道を見つけるものもいれば、新しいものの見方に気づき、自由を取り戻す人間もいました。
それぞれには、それぞれの人生の見方、生き方が存在するわけです。

卓球を通して自らに足りないものを、補完しあい、救いあっている。
この映画で出てくる「ヒーロー」とは、救う人間の名称であり、誰か、映画の特定人物を指しているわけではないのでしょう。
他のスポ根映画にありがちな、「敗者=人生の落伍者、失敗者」という構図がなく、見ている側も救われます。

この映画でひとつ、見ていてわからなかった点があります。
それはなぜ、スマイルの卓球に対する考えが変わったのか?です。
「卓球なんか、死ぬまでの暇つぶし」
「相手の心情を思って、勝ちを譲る気の弱さ」、
が後半では、負かした相手に対して、
「才能が無いから負ける。」
とまで言い切ります。
この変化はいったい、どこからきたのでしょうか?

その答えは、この映画が、スマイルとペコの恋愛(!?)映画という点にあるのかもしれません。
スマイルの感情に気づいているのに、居心地の良さから気づかないふりをしていたペコ。

「俺は行くよ。だって、スマイルが呼んでいる。あいつはずっと俺のことを待ってくれている。」

二人の対決がクライマックスではなく、決勝で二人が出会う、そこに至り、勝負をするということ自体が重要なのでしょう。
なぜなら、決勝で出会うことが二人にとっての「救い」であり、勝負の内容、ましてや「勝ち」「負け」などは関係ないからだと思えました。
スマイルは全力を出し切ることで、ペコを助けたことになり、ペコがヒーローになって戻ってくることが、スマイルにとっての救いなのではないのでしょうか?

そういう意味では、スマイルは「卓球の面白さ」に目覚めたわけではなく、ペコとの馴れ合いをやめて、ヒーローであるペコを求めるがゆえに強くなっていったと考えたい。

最後には、人生の袂を分かつような生き方をしていますが、それは、お互いがお互いを補完しあった結果であると思います。

過酷な生き方をしている人間の救済の物語。
お互いがお互いに厳しいくなるのも、好感が持てました。

最後に、この映画のCGの迫力がものすごいものがあります。
CGばかりのせいではないのでしょうが、
卓球が、コンマ何秒かで勝負をしているというのがよくわかりました。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
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