イン・ザ・ベッドルーム  
2002.10.02.Wed / 20:06 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

「イン・ザ・ベッドルーム」というタイトルは、ロブスター漁の話から来ています。
「寝室=網」にいるロブスターが二匹であれば平和でいられるが、
三匹に増えると、争いが起きる、、
二者の関係は単純なのに対して、
三者のそれは、高度に複雑なためなのでしょう。
冒頭に映し出されたのは完璧に近いほどの幸せな家庭。
しかし、幸せに完璧などはありません。
どこかが歪んでいたり、どこかがおかしかったり、、、

恋人同士であるフランクとナタリー、
しかし、ナタリーとよりを戻したい元夫のリチャード。
一人息子であるフランクには、父親マットは寛大で、
母親ルースは束縛しがち。
ナタリーとともに自立したいフランク、別れさせたい母親ルース。
多分、他にも完璧でない部分はあるのでしょうが、
それ以上の幸せによって見えなかったり、
今の幸せに比べれば、目をつぶって無視できるほどの
ささいなことだったのかもしれません。

しかし、三者による歪みとほころびは日ごとに大きくなり、
それでも無視をしようとした彼らに、ついには悲劇が襲います。
今まで見えなかった不完全さが、この時とばかり夫婦を襲います。
失ったものは取り戻せない。
では、それをどのように補完すればいいのか?
絶え間ない怒り。
埋めることができない喪失感。
眠ることができない夜。
ふと、思い出してしまう息子の面影。
閉ざされてしまった心。

最後には和解する夫婦。
しかし、二人にとってじゃまな第三者を排除する必要がある、、
やはり、もう三者では暮らせないのだ、、

マットがリチャードの家で見たものは、昔のナタリーの幸せな姿。
極悪非道、虫けらのようなリチャードでしたが、
しかし、彼にも人並みに幸せな時代、ナタリーを幸せにしていた時があったのです。
そう、すこし前のマットのように、、、
「わからなくなってしまった、、、」
何が悪かったのか、どうすれば、こんなことが起こらなかったのか、、、
多分、リチャード夫妻も、ほころびが無視できないくらいに大きくなり、
別居という悲劇が襲ったのでしょう。
しかし、どうすればよかったのか、誰にもわかりません。


静かに、しかし、画面いっぱいに張り詰める緊張感。
そんな緊張感を演出するカメラワークや役者達の演技が見事でした。
ことに、この両親を演じたトム・ウィルキンソンとシシー・スペイセクは見事。
東欧の民族音楽のコーラスも不思議な雰囲気で、
この緊張感を演出していたように感じました。
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