CASSHERN  
2005.04.30.Sat / 23:39 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

「なぜ人は戦い続けるのか?」
そして、
「人に救いはあるのか?」
そんな壮大なテーマに果敢に挑み、着地点を見失った映画。
しかし、映画の祈りは、妙に心に響く映画です。


「人は生きているだけで誰かを傷つける。
 傷つけられた憎しみは、争いしか生まない。
 平和を望むのならば
 お互いが存在していることを赦すことから始めよう。」
この映画で、直接台詞で語られる映画のテーマのようなものです。
しかし、この映画はそんなに単純ではありません。
存在自身を否定され、生まれてから迫害しか受けてこなかったブライたち、新造人間。
自分たちを天秤にかけた人間という存在を赦す事ができるのか、、、、
しかし、実は彼らは人間。
死ぬ直前に、生前過ごしたであろう幸福な経験を思い出し、人を赦す境地に達します。
逆に、そんな経験が無ければ、人を赦すことはできないのかもしれません。
憎しみが争いを生む、、、確かにそうなのですが、
この映画の戦争は、憎しみから生まれたものばかりではありません。
自ら延命という醜い欲望のため、
そして、愛する妻を救うため、
個人の欲望のため、戦争は始まり、多くの人間がモルモットとして、その生を奪われます。
「愛する人を救うための行為ならば、だれも否定はできないはずだ。」
しかし、父によって生き返らされてしまった鉄也は言います。
「誰か一人が幸せになって、それで終わりじゃだめなんだ。」
意にそぐわず、生き返ってしまった人々の悲劇を見てきた鉄也の想いなのでしょう。
しかし、それは父の問いかけの重さからは、ほど遠い気がしました。
それでは、本当の答えは何なのでしょうか、、、、
答えは提示されないまま、鉄也とルナは「カミナリ」という希望を別な星に産み落とし、
映画は終わりを告げます。
新しい再生のための力は、悲劇と同時に希望をも与えると言いたかったのかもしれません。

答えが提示できなかった(と私は思っている)この映画は、ならば失敗作なのでしょうか?
しかし、この映画の「人類救済」の祈りは、理屈を超えて、心に響くものがありました。
着地点が分からないのを承知で祈りたかったのかもしれません。
「私たちは、どこで間違ってしまったのだろう。
 ならば、できることからやり直そう。まずは、赦すことから。」と。
そんな、作り手側の祈りは、本物のような気がしました。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.277 / タイトル か行 /  comments(2)  /  trackbacks(1) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY
- from モモ太 -

この映画を観たのはずいぶん前なんです。
でもなかなか感想が書けなくて・・・。
自分の思いを言葉にできなかった映画は久しぶりです。
好き。嫌い。面白い。つまらない。
そういう分類ができない作品でした。
それはヤンさんが書いている
「着地点を見失った映画だけれど、祈りがこめられている」からなのかもしれません。

2006.08.06.Sun / 00:35 / [ EDIT ] / PAGE TOP△
- from ヤン -

映画って、難しいですね。
キチンと造ってある映画が名画だとは限りませんし、自分の中の名画と他人の中の名画って一致しませんしね。
この映画も荒削りで、人によっては拒否されてしまうかもしれないし、それは仕方ないことなのかもしれないのですが、そういうことも承知で造られた映画かもしれません。まあ、映画は理屈じゃないし、論理的に割り切れるものでもないので、言葉にするものも難しいのかもしれませんね。

2006.08.07.Mon / 22:27 / [ EDIT ] / PAGE TOP△

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