ふたり  
2005.05.28.Sat / 13:36 
「ネタバレ」あり。ご注意願います。

ふたりでいたい、いつまでも
それは永遠には叶わない望み
時が流れ、大人になり、ひとりで歩き出す
その時までの、はかない世界


少女が他人の想いを知り、自分を知り、大人になる物語。
しかし、それと同時に、
届かなかった恋、叶わなかった未来、
その想いを抑えて、妹の未来を見届けた姉の物語。

この映画の題名は、ふたり。
ふたりで一人のような姉妹ではあるが、
姉妹ゆえの彼女たちの悩みは対照的。

いつも優等生である姉と比較される妹。
優等生を演じ続けなければならない姉。

コンサートの席で、姉の想いを届ける妹の台詞に、
大人のようで、大人の優しさのようで、はっとさせられたりもしたが、
でも、子供だった、あの時。
「あなたは、底のほうで光るものを持っている。
 あなたの生き方に自信を持つの。」
姉の言葉にもピンと来ない妹。
子供には判らなかったつらさ、悩み。
世の中はそんなに純粋ではない。誰も彼もが、影では泣いている。
姉の叶わなかった初恋、クラスメートの倒産と自殺未遂、親友の父の死。
そんな人々の気持ちを知ることで、徐々に大人になる妹。

「今日、私は舞台に立てなかったんじゃない。立たなかったの。
 ここは私の場所。ここからは世界のすべてが見える。」
姉の言葉を姉以上に理解して、自分の生き方を見つける妹。

そして、父親が、ままならない自分の生き方に涙する、
ただの男であることを知った時、
愛人と同時に、母親をまだ、愛しているという矛盾を知った時、
もう、姉の助けは必要にならないほどに、妹は大人になったのだろう。
それは、同時に姉との別れをも意味していた。


死んでもなお、妹のそばに現れる姉は、
妹の想像した姿という解釈もあるのかも知れない。
しかし、少なくとも、この映画では違うと私には思える。
姉には姉の想いがあるからだ。

届かなかった恋、叶わなかった未来。
そして、私にはもう未来はない、、、
そんな寂しさと未練を、妹に指摘されても、
「なに生意気いってんの、子供の癖に。」
と、妹を、そして自分を誤魔化す姉。

ふたりで走ったはずのマラソン大会。
同時にゴールをしたはずなのに、甘やかされるのは妹。
それを遠くから見つめる姉。
もしかしたら、姉は、この寂しさを生前から、感じていたのかも知れない。

妹に対して、時には姉のように、そして時には母親のように接していた姉。
しかし、今、妹は大人になり、自分を必要としなくなった。
それは、うれしい反面、とても寂しいもの。
それでも、別れはやってくる。

世界はいつまでも、そこに留まらない。
皆が子供のままではいられない。それは自分自身も。姉妹の関係も。
今日あった幸せな世界が、明日には崩れてゆく。
姉と分かれた妹は、それでも姉を思い続ける。
本に描いて捕まえようとする。
今度は、対等な大人として。
* テーマ:映画感想 - ジャンル:映画 *
No.285 / タイトル は行 /  comments(0)  /  trackbacks(0) /  PAGE TOP△ 拍手する
COMMENT TO THIS ENTRY

  非公開コメント
TRACKBACK TO THIS ENTRY

ご注意

ブログ内検索

全ての記事を表示する

プロフィール

ヤン

銀河英雄伝説名言録



present by 田中芳樹:徳間書店「銀河英雄伝説」

フリーエリア

FC2カウンター

フリーエリア

ブロとも申請フォーム

フリーエリア

CopyRight 2006 Heaven of the Cinema All rights reserved.